ドビュッシー作曲「牧神の午後の前奏曲」を聞いた事ありますか? この曲はバレエ音楽として有名です。 20世紀初頭のロシアの伝説的バレエ団<バレエ・リュス>で、これまた伝説的ダンサーのニジンスキーが自ら振付けた作品として有名なのです。 ギリシャ神話の牧神パーンの物語ですが、当時としてはかなり過激で前衛的。 初演時のパリでは、ニンフの姿に発情した牧神のHな行為が、猥褻でスキャンダラスだとして酷評されたようです。 ところが噂を聞いたご婦人方がわんさと詰めかけ、逆に興行は大成功。 ニジンスキー人気は不動のものとなったのです。 ゆるゆるとした春の午後。 昼寝を楽しむ牧神のそばを、美しいニンフたちが水浴びのため通りがかります。 一人のニンフが落として行った薄いベールを拾ったパーン。 ベールに残った乙女の移り香を嗅ぐうち、牧神のエロスもまた春の開花を迎え、 そして、いつしかひとり・・・ ニジンスキーは、この舞台を古代アッティカの壷絵みたいな平面構成で振り付けています。 エジプトの象形文字もそうだけど、人も動物もなぜかみんな横向きののっぺりした絵。 美術の教科書で見覚えがありませんか? このバレエ作品、出演者はみんな横向きのポーズで踊っていて、舞台上で壁画の展開を楽しめるような演出になっているのです。 そして神話的な世界が、今見てもありえないほど前衛的に、見事なポエムとして表現されています。 ドビュッシーの音楽がまた素晴らしく美しく、古代ギリシャ人のどこか牧歌的な神々へ思いと田園の風景とが、どんぴしゃりとイメージできるのです。 私が愛する那須の地にはたくさん牧場があるので、のんびり草を食む牛や羊をあちこちで見ることができます。 けれど、牧神は一体どこに現われるというのでしょう? 観光客の多い南ヶ丘牧場かな? 放し飼いの森林の森牧場かな? 経営破綻したあぐら牧場かな? それともギリシャの神様は、管轄エリア外には降りて来ないと決まりがあるのかな? 放射能汚染が気になって躊躇しているのかな? そんなこと のたりくたりと考えてみる 春の訪れ待ちわびながら
by viva1213yumiko
| 2012-02-13 16:10
| オペラ・バレエ・映画
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