正しいブラボーの叫び方

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クラッシック・コンサートやオペラ・バレエでは終演時のカーテンコールに、よく「ブラボーーー!」と掛け声がかかります。

日本語に表現するならば「素晴らしい!」「お見事!」「うまいぞ!」「あっぱれ!」「でかした!」って感じの感嘆符でしょうか・・・

作品に対する感動や、出演者への敬意を「ブラボー」という言葉に込めて表現するのです。


ところがこの「ブラボー」

いくら舞台に感動したからといっても、ただ闇雲に叫べば良いという訳ではなく、実は暗黙のルールがありなかなか厄介な代物なのです。

本日は、いずれきっとあなたの役に立つミニ講座<正しいブラボーの叫び方>で、事前講習しておきましょう。


日本語の<ブラボー>は仏語経由の外来語として定着したようですね。

本来はイタリア語の形容詞<Bravo>から派生した感嘆詞で、特に劇場などで聴衆が演者にかける喝采として用いられます。

仏語・独語・英語・日本語など<Bravo>を外来語として扱っている文化では、一般的に「ブラボー!」とそのままの形で声を掛けても基本的に間違いではありません。

しかし、実はここからがややこしいのです。

まず第一に、イタリア語の発音は「ブラーヴォ」と2音節目にアクセントが来なくてはなりません。

「ブラボーーー!」

と、日本的な平べったいイントネーションでは、イタリア語圏の出演者には通じないかも知れません。


そしてクラシック音楽などの場合、声を掛ける対象によってイタリア語の性数による語形変化を使い分けなければならないのです。

男性ソリスト歌手のアリア終わりなら「ブラーヴォ」です。

でも女性ソリスト歌手のアリア終わりだったら「ブラーヴァ」じゃなきゃダメなんですね。

そして複数人数の男性合唱だったら「ブラーヴィ」になり、女性のみの複数人数の合唱なら「ブラーヴェ」になる。

じゃあ男女混合の混声合唱ならどうなるか?

「ブラーヴィ」が正解です。

オーケストラなど多人数の演奏などの場合も「ブラーヴィ」になりますよ。

女性ソロのピアニストには「ブラーヴァ」

それが女性のみのピアニストのグループ演奏なら「ブラーヴェ」です。

そして日本ではあまり見かけないのですが、聴衆の反応が手厳しくブーイングさえ起こるイタリアではこんなことも・・・

男ひとりと女ひとりの歌手がカーテンコールに登場したのに「ブラーヴォ!」と声が掛かったら、それは男性は良かったが女性はイマイチという皮肉なのです。

もう~ 頭グラグラして来る~


ところで、フライング・ブラボー(フラボラ)というものをご存知でしょうか?

クラシック音楽はポピュラーに比べマナーの決まりごとが多く、演奏が終わったあとの余韻と静寂も音楽の一部である、という暗黙の了解が存在します。

だから指揮者が指揮棒を降ろす前の拍手や、拍手が起こる前のブラボーは、フライング・ブラボーと呼ばれかなりヒンシュクを買う行為なのです。

特にワーグナーのオペラなどは作曲家の意図を表現するために、一幕すべてを途切れることなく演奏する決まりがある。

だから、イタリアオペラみたいなアリア終わりの拍手喝采も一切なく、音楽はシリアスに黙々と進行して行く。

フライング・ブラボーなどしようものなら、大クレーム問題になってしまうことでしょう。


また、大物スターが来日してガラコンサートなどが開催される場合、招待したスターの手前、舞台を盛り上げるための効果音的ブラボーが必要になって来ます。

熱狂的なファンや主催者側のスタッフさんが、舞台の出来不出来に関わらず拍手喝采してくれないと、間が持たなくてスターに申し訳ない。

そんな時は、仕込みの<ブラボー屋>が活躍するんですね。


このようにいろいろ聞いてしまうと、クラシック音楽は堅苦しくてコンサートに出向くのがおっくうな気がしてしまいますよね。

でも実際はそんなことありませんよ。

多少オタク系の聴衆が多いかな?っていうくらいのものなので、安心して楽しんで下さい。


そうそう、コンサートの前後はJR駅ナカのイタリアンレストラン<ブラボー>に寄るのも良いかも知れません。

Suicaも使えることだしね。

  


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by viva1213yumiko | 2012-04-14 21:01 | オペラ・バレエ・映画 | Comments(0)
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