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映画<今、ここにある未来>

インドの思想家、サティシュ・クマールのドキュメンタリー映画<今、ここにある未来>を観賞しました。

エコロジカルでホリスティックな持続可能性社会って、一体どういう社会のことを指すのでしょうか?

問われた時、あなたは明確なヴィジョンが描けますか?

この混迷の時代、どうにも見えて来ない未来のイメージを、サティシュさんはシンプルに、しかし力強くキラキラと語ってくれています。

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サスティナブルな世界の実現に必要なのは、3つのSを結びつけることだと、クマール氏は説明します。 

Soil(土)と Soul(心)と Society(社会)


・環境活動家の説く自然環境論

・宗教家の説く幸福論・人生論

・社会運動家の説く新しい社会経済システム


<土と心と社会>がひとつに統合されてこそ、初めて新しいホリスティックな地球が生まれるというのです。

大地や自然界との調和を保ち、心身と魂の健康を取り戻し、フェアで平等な社会経済システムをデザインし直す。

バラバラに分離してしまった<土と心と社会>が一体となった時、初めて人類は満ち足りた人生を共に生きることが可能になるのです。


マハトマ・ガンジーも言ってました。

「世界の変化を望むなら、まず自分が変わりなさい」

しかし多くの人々はこう呟きます。

「地球温暖化・気候変動・貧困・不正・・・問題が多すぎてどこから始めたらいいか分からない」と・・・


そんな人達にクマールさんは明快なヒントを与えてくれています。

「まず、食べものから始めよう!」


やはり、食べることが最も手っ取り早い方法のようです。

よき食生活とは地球への環境負荷を減らすのです。

地域の天然のオーガニックの食品を選べば、輸送・貯蔵・冷蔵などで消費するエネルギーコストを大幅に抑えます。

手作りの献立を家族や仲間で囲む食卓は、心と身体を健康にし、人と人とを繫ぎ合わせます。


あなたが健康で幸せになると、社会にも安定と幸せが訪れます。

すると生態系のバランスが戻り、温暖化の解消をもたらします。 

風が吹けば桶屋が儲かるみたいに、そんな方程式が成り立つのです。

まさに「世界の問題を解決する第一歩は、あなたの今日の食事にかかっている」という訳ですね。


食への取り組み方だけでなく、眠ること・歩くことについても語っています。

「私たちが眠るほど、地球も自分自身も助かります」

「歩くことで、地球から英知を授かるのです」


世界平和の実現については・・・

「平和のためにできること? まず自分が平和を生きること」


そして自分の暮らしを変え、もう機能しなくなってしまったシステムから抜けることの大事さを提案しています。

「人の手でつくられたものは人の手で変えることができます」



日本人にはより良い世界を作り出す力があるので自信を持って欲しい、とサティシュさんは励ましてくれています。

「エコロジカルでホリスティックな運動は、日本の文化伝統を基盤に新しく起こすべきで、他所を探す必要ありません」とも・・・


呆気ないほどシンプルで当たり前の言葉の数々に、我々の行くべき道を指し示されたようで、力が沸いて来るのを感じます。



今ここにある豊かな未来のイメージを、大切に私は育てていこう。

そして少しづつでもいい、皆んなと分かち合って生きていきたい。


スコンと何かが響いて落ちた、夏の終わりの夜でした。




by viva1213yumiko | 2012-08-29 19:54 | オペラ・バレエ・映画 | Comments(0)
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