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核の映画2本立て

那須地区では3.11以降、各種の集いや勉強会などが開催されています。

それは、当初国の定めた8都市102市町村の<汚染状況重点調査地域>であったにも関わらず、昨年末一方的に放射線量の線引きをされて、除染費用の対象外区域となってしまった事も大きいと思います。


つまり政府の除染対策を切り捨てにされた住民達が、みんなで一緒に自衛手段を模索しているからだと云えるでしょう。

「国は責任を取らず、国民を平気で切り捨てにする」

そんな認識が広まり、疲れ果ててしまう大人も多かったのです。

だからこそ、これからどうすればいいかを皆んなで一緒に考える、住民プロジェクトが必要になって来ています。

 
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そんな中、映画<核の傷><内部被ばくを生き抜く>の2本立て上映会に行きました。

ちょっとヘビィな内容ですが、私達はまず現実というものを知って、そしてこの世界に関わっているんだという事を認めなければ始まりません。


広島で被ばくしながら67年間被ばく医療に携わり、内部被ばくの実態を訴えて来た、今年95歳の肥田舜太郎医師のお話を中心に、放射性物質から命を守るために知っておくべきことを取材したドキュメンタリー2本で、とてもとても深く考えさせられるものでした。


肥田医師は、直接被ばくしていない人々も原因不明の身体のだるさを訴える<原爆ぶらぶら病>の原因が、低レベル放射能のせいだと、戦後30年たってやっと理解出来るようになったと話されています。

米政府が、原爆投下後の調査から低線量被ばくの影響を意図的に隠蔽したので、<原爆ぶらぶら病>は表に出ず、被ばく者はただの怠け者と思われ色々と差別を受けたらしいのです。

日本政府も賠償責任から逃れたかったのか、米政府と結託して被ばく者の実態を隠して来ました。


内部被ばくは科学的根拠がないとして、被害者への保証は全くなされていないのが現実です。

そして3.11以降、未だに「年間100㍉シーベルト以下なら安全だ」と御用学者にキャンペーンを張らせているほどです。

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呼吸や飲食を通じて体内に放射性物質が沈着し内部被ばくすると、長時間α線やβ線が放射され、細胞内のミトコンドリアが変化してフリーラジカルという活性酸素を作るらしい。


このフリーラジカルが細胞膜を破壊し、様々な病気発生の原因を作るのだそうです。

だから「被ばく者は病気になりやすい」 だから「食品管理が大切だ」 という訳なのです。

特に胎児・乳幼児ほど細胞分裂が盛んなので、大人の何十倍ものリスク管理が必要になってきます。



那須町ではこれまでも放射線対策として、ホールボディカウンターによる検査、すべての教育施設での空間放射線量の測定や表土除去、給食や家庭菜園の測定、公共施設の除染、18歳以下の子供達の甲状腺エコー検査、尿検査、母乳検査などの対策をしています。


しかし、今回の福島の事故でばらまかれた放射能は、広島の原爆の168発分ですよ!

既に日本全国、いや世界中に汚染物質はバラまかれたと考える方が、正しい認識なのではないでしょうか?


原子力発電所の大気から、ウラン採掘の鉱山から、再処理工場の水源から、汚染食品の偽装から、核軍事施設の土壌から、戦場に残った劣化ウラン弾から・・・

今や世界中のありとあらゆる場所に、信じがたい程多くの内部被ばく者が存在しています。

将来健康問題が生じても病気との因果関係を証明する事のできない、無自覚な被ばく者です。

目には見えない身近な脅威が、普通に生活している人のすぐ近くにも迫っている事に、人はもっともっと自覚的にならなければいけないと思います。

でなければ、あの3.11の経験から日本人は全く何も学ばなかった事になってしまいます。

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さて、福島原発事故後、今や放射能との共存を強いられている我々は、一体どのように生きるべきか?

95歳の肥田医師は映画の中でこのように語り、明確なメッセージを残してくれました。

   

  「いいかげんに生きるのは止めなさい」

  
  「生きるんだという意志をもって、一生懸命生きなければならない」

  「自分自身が主人公になって、先祖から引き継いだ免疫力の力を守り、
   ひたすら健康に生きるよう、意識し努力し集中しなさい」



美しく色づいた紅葉を見上げつつ、言葉を心に刻みながら、家路についた私でした。




by viva1213yumiko | 2012-11-06 16:17 | オペラ・バレエ・映画 | Comments(0)
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