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東西冬至事情

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太陽が黄道から最も離れる冬至は、一年の内で昼間が一番短くなる日です。

暦でいうとちょうど冬の真ん中。

昔から、翌日から日が長くなるこの日を節目として祝う習慣があり、今もゆず湯に入ったり、あずきやかぼちゃを食べたりしますよね。


冬至の次の日から日が長くなるという事は、


「この日こそ新しい太陽の誕生の日でもある」と考える事もでき、いわば太陽復活の日と捉えられ、<一陽来復>という言い方をしたりもします。


「悪い事があっても再び良い事がめぐって来る」という厄払いの意味が込められているのです。



お風呂に柚子を丸ごと浮かべて入浴するゆず湯(冬至湯)は、ひび・あかぎれに効き、風邪予防になるといわれていますが、ポカポカと身体が温まるのはその成分だけでなく、ゆずの持つあの明るい黄色の力にもあるのではないでしょうか?

5月の菖蒲湯と同じく、禊ぎの意味も込められているのだと思います。


冬至粥はあずきを加えたあずきのお粥の事だし、小豆とかぼちゃを煮た<いとこ煮>を食べたりもしますよね。

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ここでもあずきの赤で邪気を祓っているのです。


また、冬至には「ん」のつくものを5つ食べよとも言われます。

寒さが本番となるこの時期にナンキン(かぼちゃ)・だいこん・にんじん・れんこん・こんにゃく・ぎんなん・きんかんといったビタミンや繊維質が多く含まれてものを食べれば風邪も引かずに健康に冬を過ごせると言います。


先人達の言い伝えですが、確かに理にかなっていますよね。


それから私は記憶に無く全く知らなかったのですが、お盆の迎え火の様に木戸口や炉で、火を焚く習慣もあったのだそうです。

新しく甦る太陽を火を焚いてお迎えする、そんな意味が込められているのだそうです。

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こんな風に自然界のエネルギー再生を祝う行事は、日本だけでなくヨーロッパにもありました。


キリスト教以前のヨーロッパの民の間にも、冬至に火を焚いて太陽を暖める風習があったんだそうです。

ヨーロッパの一部地域では冬至の日には大きな薪を燃やして悪魔払いをし、その火をみんなで囲んだのだそうです。


クリスマス・ケーキの定番<ブッシュ・ド・ノエル>はその火焚きに由来すると言われています。

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実はクリスマスツリーも、冬至に樅の木を祀るヨーロッパ北部の習慣が定着したもので、イエスの生誕地パレスチナには樅の木は生えません。

イエスの誕生日は聖書にも書かれてないので、12月25日とは誰も断定出来ないのだそうです。


クリスマスはイエス・キリストの生誕を祝うキリスト教のお祭りとされているけれど、その大元はキリスト教以前の冬至のお祭りだったんじゃないかという、<X’mas原始宗教混合疑惑>が濃厚になって来ます。




まあこの際、聖書の正しい起源などどうでもいいのです。

日本でも欧州でも、同じ様に火を焚いて冬至を過ごし、有史以来[自然界の甦り]  [太陽の再生]を祝って来たって事が大事になる訳です。


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冬の寒い夜、部屋をきれいに飾り、火を灯してご馳走を囲む。


天の運びに思いを寄せたり、贈り物で感謝を表したり、自然界に祈りを捧げたり・・・

季節のそんな神聖な行事があるのは本当にいいものです。


しかもそれが宗教も国境も超えた世界共通のお祭りになっているなら、こんなに素敵な事はありません。




2012年の冬至は特別意味があるようです。


「今までの悪い事も、再び良い事へと転換し始める」

そんな起点になる日です。


是非とも愛する人達と火を囲み、寂しがってる太陽を一緒に暖めてあげようではありませんか。

西洋も東洋も関係なく、一緒になって地球のエネルギー再生を祈る、そんな日にしたいものですね。




by viva1213yumiko | 2012-12-18 23:49 | 季節・行事 | Comments(0)
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