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映画版<レ・ミゼラブル>

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お正月らしい大作が観たくて、<レ・ミゼラブル>選びました。

チラシをチラッと読んだだけ、殆ど事前情報なしに凄い大作観ちゃって、お屠蘇の酔いも一気に醒めてしまいました。


ミュージカル映画は当たり外れが大きいので、さてどっちに転ぶかなぁなんて思ってたのですが・・・

う〜ん凄い! 全く凄いんです。 

圧巻です! よくぞ作ってくれました。


脚本良し、演出良し、キャスティング良し、映像良し、音楽良し、演技良し、歌唱良しと、スタッフ一同入魂の一作となっております。



帝劇の舞台を観て作品のクオリティは分かっていたけど、今回のこの映画版は本当に自然な形でミュージカル作品の世界に引き込まれ、そして不思議なほど胸がしめつけられ、揺さぶられてしまうのです。

それというのも役者さんが演技しながら歌うという、同時録音のスタイルで撮影したからなのでしょう。


劇場の隅まで朗々と響き渡る、ミュージカル特有の歌声ではなく、撮影時に役者が演技しながら切々と歌うので、仕草や表情にも生声のリアリティがあり、登場人物に共感せざる得なくて心を動かされてしまうのです。

ジャン・バルジャンの苦難の生涯が、回りを囲む様々な群像劇が、自分の中にも潜んでいて同じように救いを求めてる<魂の声>を代弁してしまうのです。



物語のテーマは<愛による魂の救済>

愛の力によって魂は浄化が可能であると訴えていて、普遍的な深みがあります。



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私は思うのですが、人の魂とは創造主の手元を離れ生まれ落ちた瞬間から、ある意味すでに傷ついてしまっているとも言えるんじゃないでしょうか。


人生を生きるという事は、無数の可能性の中から一本の道をチョイスしなければならず、まずその段階で選ばれなかったた可能性は、切り捨てられ忘れられ無視されています。


人生の歩みには常に迷いや疑念が付きまとうし、恐れや自己保身が自分と他者とを常に傷つけている。


人生を享楽的に生きたとしても全く救いにはならないですし、かといって聖人のように純粋に他者の為に生きたとしても、この世に傷ついた人がなくならない限り、全ての人を救えなかったという傷がついて回ります。


だからどんな人の魂にも浄化は必要になって来るのです。



神への愛

母の愛

父の愛

恩師の愛

恋人の愛

同士愛

理想への愛

見返りのない愛

宿敵への愛・・・



<レ・ミゼラブル>には色々な愛がちりばめられているので、あなたの魂が今必要としている救済も、必ずやどこかに含まれているんじゃないかと思います。



Les Miserables(哀れな者ども)は、真実の生き方を探し彷徨う、傷ついた魂たちの物語であって、もちろんあなた自身の物語でもあるのです。

古今東西、老若男女、誰が観ようと感動してしまうのは、皆んなそこに自分の魂を見つけてしまうからなんですね。



思いきり泣いて泣いて、琴線をふるわして下さい。

感動で研ぎすまされた分だけ、あなたの魂は透明になって行くのだと思います。



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追伸:
6月暴動の時、学生達がバリケードを張る下町のアパルトマンの壁に、大きなひとつ目の落書きを発見してしまいました。

さすがはハリウッドを牛じると言われるイルミナティ。

「いつの時代も国家権力には逆らえませんよ」というサブリミナル・メッセージなんでしょうか?

158分の上映中、そのシーンだけはちょっとシラケて、「ああ無常」と呟いてしまった私でありました。




by viva1213yumiko | 2013-01-03 01:11 | オペラ・バレエ・映画 | Comments(0)
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