ゾンビ・パウダー

死人が呪術によって生き返るという<ゾンビ現象>

マイケル・ジャクソンやジョージ・A・ロメロの映画でお馴染みですね。

実は私もこのゾンビって、空想上のホラー話しだとばかり思っていました。

しかしどうやらハイチの暗黒社会で実際に起きていた、不気味な怪奇現象らしいのです。

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カリブ海のハイチには、故郷アフリカのアミニズムとキリスト教とを混合したような独自の宗教<ブードゥー教>が存在します。

激しいドラムとダンスによる陶酔や、異様な憑依現象、各種の呪術が特長のブードゥー教には、一般の聖職者の他にボゴールと呼ばれる呪術師が存在し、死者を甦らせる呪術は彼らが行っているのだそうです。


 ボゴールは目星をつけた死体が腐敗しないうちに墓から掘り出す。

 呪文を唱えながら繰り返し名前を呼ぶと、死人はむっくりと起き上がる。

 なおも名前を呼び続け、死人が歩き出したところで両手に縄をかけ捉える。

 こうして甦ったゾンビに魂はなく、ボゴールの奴隷となって使役されるか農園などに売られる。

 彼らはどんな酷使にも耐え、命ずるままに働き続けると言う。


しかし実際には死者が生き返る訳ではなく、ゾンビとは実はボゴールによって薬物を仕掛けられ、一時的な仮死状態にされたまま生き埋めにされた者の事らしいのです。

特殊な薬物が脳内の言語や意志力を支配する部分を破壊するので、仮死から覚醒しても人の指示通りにしか行動出来なくなるのだそうです。


当然気になるのはそのゾンビ用の薬物とやらですよね。

多数の科学者がゾンビの謎に挑んだのですが、誰ひとりとしてその秘密を解明できませんでした。

しかし1982年、ハーバード大学の人類学者がついに実態を明らかにしたのです。

ウェイド・ディヴィス博士の「蛇と虹」という著書によると、ゾンビ用の薬物とは次のような手順で作られていたというのです。


1:墓地から赤ん坊の死体を盗み出す。

2:盗んだ死体は棺ごと庭に埋め、3日後に取り出し、その断片を壷に納める。

3:トカゲ・ヒキガエル・ムカデ・フグ・海の多毛類などを金網にのせ、死体の断片を加えながら火であぶる。

4:十分にあぶったものを臼に入れ、チャチャ、ムクナブルリエンスなどの植物を加えてすりつぶす。このとき微細なガラス片を練り込む事もある。

5:混合物を瓶に入れ、庭の赤ん坊の棺に3日間納めておく。


こうして完成した薬物を<ゾンビ・パウダー>と呼び、標的の家の戸口に撒いたり、相手の肌に直接吹きつけたりするのだそうです。

すると、植物の棘やガラス片で傷付いた肌から薬物が体内に浸透し、ゾンビが誕生するのだそうです。

調査してみると、材料はいずれも化学的に強い活性作用を持つものばかりと判明しました。

特にフグ毒のテトロドトキシンが中心的役割を果たしており、他の成分との複合的作用によってゾンビ特有の現象が生まれると言います。

ゾンビ・パウダーを犠牲者の体に塗ると、毒による神経麻痺のため一時的に仮死状態に陥る。

それを<ゾンビのキュウリ>と呼ばれる幻覚性植物の解毒薬で復活させたもの、それがゾンビ現象の真相だと言うのです。


ゾンビのターゲットになるのは、ブードゥー教の掟を破り、ブードゥー社会に害悪をもたらす犯罪者や悪人だそう。

掟を破った者をゾンビにし、奴隷のごとく強制労働させ、過酷な労働に従事させる事で罪を償わせるという、神罰の考え方から来ているのだそうです。


それにしても野生の思考をそのまま生きてる、恐ろしきブードゥー世界ですね。

けれどそこには、現代の我々に最も欠けている要素が熱く息づいてるようにも思えてなりません。
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   顔色は悪くて虚ろな目

   生気がなくて無表情

   けれども命令には極めて従順で

   ゼンマイ仕掛けの人形のように

   昼も夜も黙々と働く


   僅かな記憶も呪術で消されて

   死者と生者の境を歩く


   君の魂はゾンビじゃないかい?

   君の魂はゾンビじゃないかい?

   もいちど深く見てごらん

   電車の窓に映った姿

   本当の自分を忘れてないかい?




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by viva1213yumiko | 2013-04-09 22:36 | おとぎ話・こぼれ話 | Comments(0)
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