イケメン・ジーザス

a0253145_1152726.png
同世代の知性派S女史は、独身時代大胆にも「理想のタイプはイエス・キリスト」なのだと豪語しておりました。

中東の彫りの深い顔立ち、褐色の肌、ウエーブのかかった長髪、優雅で気品ある物腰、悟りを開いた聖人の澄んだ瞳、人々を惹きつける穏やかな口調。

どれもみな、彼女の好みにぴったりなのだそうです。

「それにね・・・」 

と、彼女は続けます。

「だってイエスは大工さんだったんでしょう?当時の大工さんなんてすっごい重労働じゃない。十字架上のイエスって弱々しい姿だけど実物は絶対違うと思う。頑丈で筋肉質で、めっちゃ、いい身体してたと思うの」

頬を赤らめながらそう話す女史は、まるでアイドルとの恋愛妄想にはしゃぐ小娘みたいだった。

イエス・キリストが彼女の推測通りの風貌だったかどうかは、聖書を読んでみてもさっぱり分かりません。

しかし、トリノの聖骸布から読み取れるイエス・キリスト像もあるのです。

a0253145_1165047.jpg

トリノの聖ヨハネ大聖堂に安置されている聖骸布は、十字架から降ろされ仮埋葬されたイエスの遺体を包んだとされる布です。

その布の表面にはイエスとおぼしき男の像が写っているのだが、それは描かれたイエス像ではなく、処刑されたイエスのネガ転写なのだと言われてます。

もちろん様々な真贋論争が何世紀にも渡って繰り広げられて来たのですが、科学者が100年に渡る最新の研究を経ても未だに結論の出せない、神秘の聖遺物なのです。

なぜなら、亜麻布に写った身長約180㌢・推定体重77㌔・セム系30代・AB型のこの男には、聖書のストーリーをそっくり物語る、磔刑の痕跡が残っていたからです。

全身を鞭で打たれ、顔を殴られ鼻の軟骨が折れ、茨の冠からは血が滴り落ち、肩には十字架を担いだ擦り傷があり、何度も転んで膝は強度に損傷し、手首足首に大きな釘を打たれ、脇腹には槍で突いた傷跡がしっかり付いている。

つまり、聖書に記された磔刑の一連の拷問の痕跡が、そのままが布に記されているのです。

解剖学的に調べ、聖書の記述との符号を考えると、学者たちもほぼ100%本物と言わざるを得ない、不可思議な奇跡現象です。

聖骸布が本物か偽物か、バチカンは公式な表明を出していません。

しかしこの布を一目見たいという世界中の人々のために、iPhoneアプリまで作成されたと言います。

a0253145_122686.jpg

聖骸布から復顔したCG像だと、イエスは若く、このようにかなりなイケメンと思われるのです。

S女史の理想のイメージも、多分こんな感じだったんでしょうね。

過酷な受難を引き受けるに相応しい、品格ある聖人の姿です。

こんなに若くて美しい魂を、罪もないのに殺してしまったという西欧人の心のトラウマが、もしかするとその後のキリスト教布教のモチベーションとなって行ったのかも知れませんね。


その後S女史は再婚し、現在はご主人と幸せに暮らしています。

一度だけ新居に遊びに行かせて頂いたのだが、その時出迎えてくれたのは<イエス>というより、明らかに<エビス>に似た、福々しいお顔の50代男性だった。

「理想のタイプって西洋から東洋へと、平気で180度変わるものなんだなぁ」

その時しみじみそう感じた事を、今でもよ〜く覚えています。



a0253145_19976.jpg

おまけ:
<聖骸布手ぬぐい>っていうのも発見しましたぞ。

こういうセンス、結構好きですね〜


聖骸布手ぬぐい




[PR]
by viva1213yumiko | 2013-05-13 01:03 | おとぎ話・こぼれ話 | Comments(0)
<< トラとウマとが仕掛けた罠 聖マラキの予言 >>