血のつながった親子の絆は、何よりも確かで信頼のおける強い関係です。 しかしそれと同時に、最も根源的で最も難しい課題を持つ関係であるのも事実ですよね。 身近なだけになおさら憎しみも深い、愛憎関係であったりもします。 だからどの家の親子関係も、水面下に複雑なテーマを抱えているものです。 夫婦ならいっそ離婚し解消してしまう事も出来るけど、親子の血縁関係は切りたくても切れない因果ある関係です。 この親と子の、厄介で不思議な人間関係をどう捉えたら良いのか? 本日はそんなお話です。 親から子へと代々受け継がれて行くものって、顔かたちや性格や財産だけじゃないんですねよ。 親が子にバトンタッチするもの・・・ それは<愛の体験>です。 人は往々にして忘れていますが、幼少期(自分の生存が100%親の保護にかかってる頃)に親との愛情体験から得た印象というものは、その人の信念を形作るもの凄い力を持ってるんですよね。 子供の頃の<愛の体験>はその人の基盤を作っていて、人生のかなりの部分を支配しているんです。 子供って、親をじっくり良〜く観察してます。 そしてそこから人との関わり方や、出来事への反応の仕方、行動パターンなどを構築するのです。 幼少期のまっさらな心に刷り込まれる愛ですよ? 人生の基盤となる愛に対する信頼感は、この段階で形成され相続されてしまうのです。 それが親子代々伝わって行く。 言うならば、親子関係は<愛のタテ軸>なのです。 しかしこのタテ軸、実は恩讐(情けと仇)のコアともなるものだったのです。 誰もが皆<愛のタテ軸>から、暖かくて健全な愛だけを相続してる訳じゃありません。 歪んだ愛、重たい愛、勘違いの愛を引き継いでる可能性も多いのです。 親から心の癖を相続してしまうからです。 だから親がネガティブで不満の多い人生を送っているとしたら、その事を相当意識化してないと、あなたも似通った人生を送る事となるでしょう。 相続上の要注意事項と言えます。 不幸の原因の多くは目に見えないものから来てますが、子供の頃に植え付けられ条件付けされた観念は、最も見つかりづらい<目に見えない毒素>と言えるでしょう。 「三つ子の魂百まで」と言うように、心身の深いレベルに蓄積されてしまうからです。 人は誰も皆、自分が一番怖いものを心の奥深くにしまい込んでいます。 心の傷を無意識に隠し、辛い記憶を封印してるのです。 一番怖いもの・・・ それはどれも皆、幼少期に親との関係でインプットされた、生存に関わる普遍的な怖れです。 「捨てられるかも知れない」という怖れであり、「自分には存在価値がないかも知れない」という怖れであり、「信頼が裏切られるかも知れない」という怖れなのです。 親子関係で受け継がれるものって<愛の原点>になりますよね。 それは余りにも小さい頃、余りにも当たり前に刷り込まれる怖れなので、皆んなその影響に気付く事さえ出来ないでいます。 だから親子関係は<愛の死角>でもあります。 自分の中で未解決な、根源的な課題を浮き彫りにしてくれるもの・・・ それは結局、親子関係の中に一番見つかりやすいのです。 親子関係のカルマは誰にとっても魂の大事業です。 けれど人は変わる準備さえ出来れば、血縁の因果を超えて成長して行けます。 親から引き継いだ観念に気づき、手放す。 なおかつ親を理解し、許し、愛す。 そして自らはそれを超えて、さらに成長する。 もしあなたの<愛のタテ軸>が歪んでいるのなら、それをまっすぐ伸ばしてあげて下さい。 すべての人間関係の基盤となる<愛のタテ軸>を、まっすぐ素直に伸ばしてあげましょう。 「悟ったと思ったら、両親を訪ねてしばらく一緒に暮らしてみてご覧なさい」 ラム・ダス 追伸: ちなみに男女関係・夫婦関係は<愛のヨコ軸>となります。 その目的は、男性性と女性性を統合して愛を完結させるためにあるのです。
by viva1213yumiko
| 2014-01-09 15:08
| 人生・霊性
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