アニメの話題をもうひとつ。 「歌とファンタジーと家族愛」で観客動員数1000万を超えた、デイズニーアニメ<アナと雪の女王> その主題歌<Let It Go>をカラオケや口パクで唱うのが流行りです。 カラオケランキングでも首位獲得で、これを<レリゴー現象>と呼ぶのだそうです。 実は私もお風呂の中で、 ♬レリゴー レリゴー って唱うの好きなんです。 ぬるめのお風呂に天然塩を溶かし、 ♬ありの~ ままの~ って歌うと浄化が早いような気がするんだけど・・・ これって単なる気のせいですかねぇ? デイズニー初のWヒロイン、エルサとアナはキャラクターが全く違う姉妹です。 優雅なエルサは長女としての責任を果たすタイプ。 まぁ王室の後継者なのですから、当然と言ったら当然なんですが、自分の欲望よりも立場優先、常に自制心をコントロールして周囲との調和を計ります。 雪の結晶のように整ったもの、整った自分を良しと思っています。 それに比べ、次女のアナは明るく無邪気でマイペース。 おっちょこちょいで世間知らずだけど、とにかく行動力があり、愛を信じて無鉄砲に飛び込んで行く。 自分の欲望に忠実な感覚派のタイプです。 あなたはアナ派? それともエルサ派? 周りにいる女性たちに、どっちのタイプか訊ねてみると面白いですよ。 それとなく探りを入れてみたのですが、私の周りには周囲の期待に添おうとする日本的優等生が多いのか、「自ら孤独を選んだエルサの苦悩に共感出来る」という声が多かったです。 我々も周りを遮断し殻に籠ってる時は、心が氷になったように感じるものです。 だからエルサの哀しみに共感出来るし、多くの人は氷の城での彼女の変貌に深く感じるものがあった。 エルサが<Let It Go>を歌いながら氷の城を築くシーンは本当に圧巻です。 けれど、あれは押さえ込んでた自分を解放する、自由と喜びの歌というのとちょっと違います。 他の人たちを守るため、親の言いつけに盲目的に従い、自分の本当の姿を人に知られないようにし、今まで自分を否定して生きて来たけど「これからは自分らしくいるために独りで世界を生きて行くわ!」と、決意表明した歌なんです。 エルサ最大のトラウマは8才の時。 秘密の力で妹を傷付けてしまった事ですよね。 子供の頃の傷付いた心(インナーチャイルド)を持つ人は、自信を失ってる人が多いんです。 ありのままの自分を隠し、必死になって周りの評価を得ようともがき続ける人もいる。 自分らしく生きて行こうとすれば当然困難も多いでしょう。 「それでもいい! 覚悟してそれを受け入れ生きて行こう!」 <Let It Go>はそう決意する歌なのです。 そう、この作品の主題は「ありのままの自分を受け入れ、本来の自分になって、自分の力を活かす」だったのです。 「ありのままの自分を受け入れ、本来の自分になって、自分の力を活かす」 言葉にすると陳腐ですが、これは誰にとってもとても大きなテーマになります。 この作品について、ある女性解放論者のこんな解説を発見してしまいました。 このエルサというキャラクターには、男性中心の社会の中で自分を押し殺し、否応なく一定の型にはまって生きざるを得ない、世界中の女性たちの鬱屈が込められている。 社会が求める女性像からはみ出したエルサを氷の城に追いやったのも、そして彼女をモンスターとして追いつめるのも、無理解で無慈悲な社会であり、そんな社会を支配する男性だった。 社会から孤絶して生きようとするエルサと、そんな彼女をもう一度社会に連れ戻そうとするアナ。 二人の運命が交錯する瞬間、本当の意味でヒロインのための物語が生まれる。 ヒロインそれぞれに課された過酷な運命は、突然何処からか降って沸いたような曖昧な存在たる王子様ではなく、文字通り彼女たち自身の行動力と必死の努力で切り開かれた。 エルサにかけられた魔法の呪いも、アナにかけられてしまった呪いも、どこかの王子様の<無償の愛による救済>というヒロイン物語の主旋律を、彼女たち自身に取り戻す事が出来た。 その意味で、ヒロインという存在を本当の意味でリスペクトする内容だった。 だから世界中の観客が納得したのだ。 そこには何百年もの間続いて来たジェンダー闘争への、ひとつの回答が隠されているように感じられる。 自らの意志を持って生きる道を模索し始めたヒロイン像があるのだ。 なるほど〜 この女性解放運動の活動家は、白馬の王子によって救われる従来型のヒロインではない、ニュータイプのデイズニー・ヒロインの登場が、新しい時代の幕開けを象徴していると主張したいようです。 たかが(失礼!)ディズニーアニメからジェンダー論まで展開するなんて・・・ 大胆で大袈裟、かつ面白い! 男性社会の中で差別され抑圧されて来た女性性を解き放つ事。 それがこの女性運動家の使命であり、お役目という事なのでしょう。 「ありのままの自分を受け入れ、本来の自分になって、自分の力を活かす」 私に言わせて貰えば、それは大いなる自己(ハイアーセルフ)が設計した人生を思い出し、それに同調し、使命を果たすって事になります。 ハイアーセルフはこれまで生きて来た過去の自分、未来の自分すべてを覗き込んでいる、自分の上位階層の意識の事。 そのレベルの意識では、過去において何が完了出来なかったか、どうすればそれを克服しバランスが取れるのか、そんな事はみんなお見通しなのです。 分かった上で自分に経験と才能を与え、それをどう料理するのかを黙って見守ってる、器の大きなおっ母さんってところです。 そのハイアーセルフと上手くコミュニケーションし、自分の感覚を信じて人生を選択して行く。 そしてそういう人生に喜びと満足を得る。 「ありのままの自分を受け入れ、本来の自分になって、自分の力を活かす」ってそういう事なんだと思います。 ♬ありの〜 ままの〜 自分に帰るのよ〜♬ 今夜も半身浴をしながら、私は<レリゴー現象>に想いを馳せています。 すべての人の魂が浄化され、本当の自分を思い出し、自分の力を<Let It Go>する日の事をね・・・
by viva1213yumiko
| 2014-05-12 14:53
| オペラ・バレエ・映画
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