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4D映画体験記

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あなたは4D映画というものをご存知だろうか?

IMAX・3D映画に続き、最新の体感型映画システムの事を4Dと呼ぶんです。

座席が映画のシーンに合わせ、前後左右上下に反応する<モーション席>になっていて、テーマパークのアトラクション同様の臨場感を体験出来る、新しいシステムなんだそうです。

席が動くだけでなく、風・香り・エアー・ミスト・バブル・スモーク・フラッシュと、色々な体感エフェクトが映像に合わせ飛び出して来るんだそうで、何とも好奇心が刺激されて来ます。


「進撃4Dで、共に立体起動を体感しましょうよ!」

毎回最新刊が出るたびに貸して貰ってる、進撃友だちのMさんから熱い感じのメールが届いた。

「それって、例の最新式の奴よね〜! <進撃の巨人>? 凄い! 面白そう! 行く行く~!」

新しもの好き同士がトントン拍子、仲良く連れ立って<進撃の巨人 4DX版>を観賞する事になってしまいました。

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「上映中の飲食は出来ませんのでご了承下さい」と、受付の係員から声をかけられました。

荷物やコートもロッカーを利用するよう促されるのです。

初っぱなから普通の映画館とは違った雰囲気で、ワクワク感が高まります。

椅子が前後左右に大きく動くのでスペースが必要なのだろう、一席当りの空間は大きく取られていて、座席もかなりゆったりした感じ。

「身長100㌢以下のお子さん・妊婦さん・お年寄り・お身体の具合の悪い方はご遠慮願います」と、先程から何度も注意書きテロップが流れている。

係員の座席チェックの後、4Dのテスト映像でいきなりカーチェイス・シーンが流れたのだが、これには度肝を抜かれてしまいました。

スピン・カーブ・ジャンプ・急ブレーキ・・・

これはもう、本物の車に乗ってる動きだ!

「これは、酔う酔う! 気持ち悪くなる~っ!」

なるほど・・・これでは飲食禁止も当然です。

絶対にあちこちポップコーンが飛び散るでしょう。

モーションのたびに座席がガッタンガッタン揺れて椅子から落ちそうになり、肘掛けに掴まり思わず呟きました。

「ちょっ・・・テスト映像でこれっ? これが2時間も・・・大丈夫なのか?」

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<進撃の巨人>本編は調査兵団が森を駆け抜けるシーンからスタートです。

風が吹く。 雨が降る。 馬が走る。

とにかく派手にやってくれるのです!

風や水が顔を濡らし、ダダダダ・・・と乗馬の衝撃が伝わり・・・体感エフェクト度MAXです!

兵士が立体起動のアンカーを打てば、パシュと頬の横に何かが横切る。

巨人が動いたり何かを破壊すると座席に衝撃が伝わる。

建物が倒壊すればスモークが巻き上る。

誰かが壁に打ち突けられたり暴力のシーンでは、椅子の背中からボールのようなものがパンチして来る。

それも大層なパンチ力で、そのたびに身構えてしまうので、緊張しないではいられない。

空を見上げるシーンでは椅子が斜め上を向き、屋根から地面を見下ろせば斜め下を向く。

大砲を打つとフラッシュが光り、爆風が飛んで来る。

巨人が人を喰らうと血しぶきがピュッと顔にかかる。

結構な量の水が飛んで来る。 

下手したら化粧崩しかねないほどに、です。


ハッキリ言って、4D映画は思ってた以上の興奮を与えてくれました。

過去のチープなアクション映画も4DXで体感し直したら、案外名作に生まれ変わってしまうかも知れません。

これからの映画とは「観るものでなく体感するもの」、そんな風に常識がひっくり返る可能性さえ感じさせます。


映画も後半になってくると4Dの衝撃にも慣れて、立体起動の爽快感を味わうゆとりが生まれます。

登場人物と一体になって、屋根から屋根へ飛び移る感覚を楽しめるようになれるのです。

しかし、なぜなんでしょう?

何だか涙が溢れてしようがない。

ここまで散々身体を揺さぶられて、身体感覚がマヒしてしまったからなのか、登場人物の何気ない台詞や、何気ない表情のひとつひとつに心が動揺しやすくなってるんです。

人類の存続をかけて戦わざるを得ない少年少女たちの、その運命や鬼気迫る心情に、妙に感情移入してしまうのだ。

「たかがアニメに何を大袈裟な」と、笑わないで欲しいです。

身体を拘束されて散々揺さぶられ、そして巨人の世界を体験させられると、疑似体験を通り越し、ちょっとした変性意識になってしまうのです。

通常の感覚とはひと味違う感性が芽生えて来る。

身体を揺さぶられ心が刺激され、むしろ友愛や絆を感じるスイッチが入って、微細な愛の感覚がキャッチ出来るのです。

ある種のショック療法で、人の心は目覚めるのかも知れません。

繊細な感覚が目覚め、ハートもオープンになって、恐ろしい巨人の本当の姿を垣間見れるような気がします。

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巨人とは、一体何を意味するのでしょう?

実は巨人とは、我々の心に住む<恐怖>や<恐れ>そのものかも知れませんね。

<恐れ>や<疑い>や<嫉妬>や<偏見>という目に見えない敵が、真実の巨人の正体です。

兵士たちは壁の外の巨人と戦う訳ですが、我々だって同じように見えない敵と日々戦わなければなりません。

それは人間の心に存在してる目に見えないネガティブな怪物との戦いなのです。

何時だって駆逐すべきは、心に住む黒い敵です。

結局私たちは、必死で巨人と戦って日々成長を続けて行く、そういう宿命なんですね。

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2時間椅子に拘束されて、髪も乱れ水分補給も出来ず、それでも立体起動を味わって、変性意識を体感したいと仰有る方々には、是非とも<進撃の巨人 4DX版>おススメしたいですね。




by viva1213yumiko | 2014-12-16 00:55 | オペラ・バレエ・映画 | Comments(0)
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