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グレタイ族リポート

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足首につるを巻き、30mの高さから成人式のバンジージャンプをする、南太平洋のバヌアツ族。

森で出産し、人間の子供として育てるか聖霊として森に捧げるかを女性が選ぶ、アマゾンのヤノマミ族。

水曜日生まれや、満月・新月生まれの女性が選ばれて首に真鍮の輪をはめる、タイ北部の山岳民族パダウン族。

世界には実に様々な文化があり、驚きに満ちた風習が存在します。

文化人類学のフィールドワークって非常に興味深いですよね。

直接異文化と接触して、交流と理解を深めて行くのですから、常に新しい体験と遭遇する覚悟が必要です。

そこでは自分の世界観をひっくり返される事もしばしばでしょう。

カルチャーショックとは、自分の認識領域を広げる要素となり得るので、フィールドワークを広げて世界を見聞する事は、同時に自己を拡大する事となります。

だから人の成長には異文化交流が必要なのです。

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実はここだけの話し、私にも独自に調査を続けてる研究テーマがあるんですよ。

秘かにある少数民族について、オリジナルの調査を重ねて来ました。

そして最近になってようやく、漠然とした彼らの全容が把握出来るようになって来たんです。

今回は、幻の民<グレタイ族>のお話しを致しましょう。



   [グレタイ族の主な特徴]

・グレタイ族は温帯地方を中心に広く生息する。
 その多くはひとつ以上の特定言語を用いる。

・グレタイ族は群れを作って行動する。
 単独行動は苦手とする傾向にある。

・グレタイ族は共同体内での責任を重んじる特徴がある。
 故に気質は概ね勤勉である。

・グレタイ族は<人並み>という道徳観を重んじる。

・グレタイ族は原則一夫一婦制を守っている。
 しかし婚姻形態の価値基準に個人差があり混乱が生じやすい。

・グレタイ族は表情が固い。身体も固い。肩こりも多数見受けられる。

・グレタイ族は時々ぼんやりと遠くを見つめる。ため息を吐く事もある。

・グレタイ族の多くに現実逃避願望があるようだ。

                   フィールドワーク・リポートより
 

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ある日の事、知人がふとした弾みから少女時代の身の上話しを始めました。

少女期の彼女を襲った過酷な境遇は、見事なほど不運の連続でした。

両親の不仲、父親の暴力、血の通わない兄弟姉妹、彼らの無責任な借金、母親の大病、その介護。

思春期だった彼女の深層部分を思うと、私は同情しないではいられない気持ちになりました。

「あなたは凄いわね。そんな状況でもグレなかったんだもの。」

少女だった彼女の決断や勇気を称賛したくて、私はそうコメントしました。

すると彼女は遠い眼差しをし、こう呟いたのです。

「グレる事が出来たらどんなにか楽だったろうと思う。 でもね、グレたくてもグレられなかったの・・・」


グレたくてもグレられない。

家庭内での責任がいつでも肩に重くのしかかった状態だったので、彼女は責任放棄など考えも及ばなかったらしい。

アルバイトを掛け持ちし、家計を助け、母親を慰め、いつも明るく自分をムチ打ち、何とか生き抜いた。

「ここで踏んばらなくって、自分はどうするんだ」ってね・・・

それは、少女期から40代までを怒涛の運命と共に駆け抜けた、<元・女の子>の真実のストーリーです。

私がグレタイ族と接触するようになったのは、これが最初のきっかけでした。

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グレタイ族のカテゴリーには、責任感が強くて優等生タイプ、面倒見の良い長男長女タイプが比較的多く分類されるようです。

彼らの心理構造は、概ねこのような仕組みになっています。


「周りの辛い状況って、自分にも責任ある」

「思えば私も悪いとこあったし」

「だからワガママ言っちゃいけない」

「私がここで我慢すれば、皆んな喜こぶし」

「とりあえず、全てまるく収まるし」


そんな風にして大人になった人間は、周囲から期待されるパーソナリティーを演じるようになります。

問題発言・問題行動のない、いわゆるイイ子ちゃんなので先生も親も安心しており、色々なものが見落とされがちです。

しかし純粋培養のイイ子ちゃんほど内圧は高い。

心の内側に<悪>を内包せず成長した子供は、むしろ却って危険なのかも知れません。

親や社会の期待を生きる。

その見返りとして自分の魂がどんどん死んで行くからです。

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それでもなんとかやり繰りして、無事に大人に成長したとしても、中年期を過ぎた辺りでふと別の人格が顔を出すようになって来ます。

そして金属疲労が起きるように、ある時突然人生が辛くなってしまう。

ある種のイメージにがんじがらめになり、袋小路でもがき苦しむ。

それがグレタイ族の特徴です。



グレタイ族の存在に気付いてから、改めて周囲を見回してみました。

すると・・・いるわ、いるわ。

かなりの比率でこの人種が存在している事が明らかになって参りました。

グレタイ族はそこかしこに生息している。

家庭の中、教室の中、居酒屋の中、電車の中、仲間の中、職場の中。

いやはや、どこにでも存在してたのです。

グレたい妻・グレたい夫・グレたい子供・グレたいシニア・グレたい先生・グレたい経営者・グレたい政治家・グレたいヤクザもん。

日本国中、グレタイ・ピープルです。


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世はまさに水瓶座の時代であります。

水瓶座の時代とは素早い変化のエネルギーが渦を巻いて、宇宙のすべてにバランスと調和の実現を促すそんな時代だと言われています。

次々と変化が訪れるので、論理的に人生を予測・計画する事は困難で、素早い決断をしないと経験自体を失ってしまうでしょう。

だから今まで自分を押さえて生きるしかなかったグレタイ族にも、いよいよ変化の時が迫っています。

柔軟な発想が必要とされるのです。


グレたい人々がグレる必要もなく、イキイキと自分を表現するためには、考え方の習慣をちょっとだけ変化させる必要がありますね。

簡単なのでここで教えておきましょう。

それは「私は○○をすべきである」と、脳で考える習慣をキッパリやめる事です。

そして常に「いま自分がどう感じるか」に注意を払うようにする。

優先すべきは「自分が心地いいのか、悪いのか」

ただそれだけで十分です。


実は人生では、どのような経験をしてもまったくOKなんです。

そこには正解なんてのも、最初から存在してないんです。

自分の魂とのバランス関係を、何よりも大切に築きましょう。

人生には説明出来ない事がたくさんあり、どうしてそんな事が起こったかなんて大して重要な事ではありません。

どんな環境で何をするかも、実はそんなに重要じゃないんです。

あなたが最大限に潜在力を出し切って生きる事、あらゆる事を判断なしに経験する事。

それが最も価値ある事なんですから・・・

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グレたい妻・グレたい夫・グレたい子供・グレたいシニア・グレたい先生・グレたい経営者・グレたい政治家・グレたいヤクザもん。

日本国中、グレタイ・ピープルばかりです。



 今、グレタイ族の心はひっそりと、そしてしたたかに発熱している。

 静かだった湖面にさざ波が立ち始めている。




by viva1213yumiko | 2015-09-16 12:13 | 人生・霊性 | Comments(0)
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