接して漏らさぬ健康法

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【四十以上の人は、交接のみしばしばにして、精気をば漏らすべからず】
                          養生訓・第四巻65


江戸時代のベストセラー本、貝原益軒の<養生訓>には、ズバリ「40才以上の人はSEXしても射精するべきではない」と記されています。


性生活には正しい方法論というものがあって、それを守れば情欲も満足させることが出来て、なおかつ精気も保て一挙両得なんですよ。

その結果、健康で長生き出来て、クオリティオブライフが楽しめますよ。

と、健康で長生きするためのSEXハウツーを教えています。


「接して漏らさず」というありがたい?教えは、もっともっと古〜い時代からの養生法のスタンダードみたいです。

当時から既に、中国経由で東洋医学の文献は輸入されていたのですが、984年、それらを総まとめにした<医心方>という医学大全集が朝廷へと献上されました。

その国宝級の医学書の中に、房内(寝室)での養生法が記されているという。

性生活に関する養生法のことを<房中術>と呼んで、様々な役に立つ教えがしっかりと紹介され、ちゃんと伝授されているのだそうです。


だから、この「接してもらさぬ健康法」は、奈良時代から伝わる健康法の古典と言えるでしょう。

朝廷の貴族から始まって、広く庶民層へと浸透した「接して漏らさず」の概念。

「接して漏らさず」はニッポンの常識だったんです。

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だというのに、この「接して漏らさず」という言い回しを、私は「武士は食わねど高楊枝」みたいなものと思っていた。

我慢強くストイックに性をコントロールすることを言うのだと思っていました。

同じように感じてた人は案外多いんじゃないのかな?

健康法が氾濫する現代。

何が正しいのか疑問視されるようなものも多いですよね。

けれど「接して漏らさず」は、歴史を生き抜いて来た本物の健康法ですぞ。

数多の先人たちが身体を張り、必死で研究を重ね、きっと涙ながらに編み出された理論なのでしょうね。

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それにしても<精気を保つ>とはどういうことを意味するのでしょう?

仙道(中国の仙人の行う術)の房中術でもこのように教えています。

 ・精気を漏らすことは気の消耗になる。

 ・漏らさなければ身体全体の精気が保たれる。

 ・特に老年になって精気を漏らすことは、大いに害になる。


東洋医学で言うところの<精>とは、精子や精液のことを指しているのではありません。

<精>とは全身を巡る気・血・体液の大元のエネルギーのことを意味します。

この<精>というもの・・・

我々の生命の根源でもあり、もちろん精子にもこの目に見えない<精>が宿っています。

射精するという行為は、単に物理的な体液の損失なだけでなく、<精>のエネルギーの損失となる。

だから射精すればするほど、その行いは生命を削り取って放出するようなもの。

それ故に控えた方が良いとされるのです。

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しかしそれとは逆に、男女の性行為は陰陽の調和であり、より積極的に気の交流・交換が促される<場>であるとも教えてます。

たくさんの気が巡る性行為は、陰陽双方の健康につながるのです。

陰陽の法則によれば、男性は陽気、女性は陰気ということになります。

男性は女性の陰を必要とし、女性は男性の陽を必要とする。

だから男女が交わらないと陰陽バランスが崩れ、病気になりやすいそうですよ。


健康のため最も効果的なのは、射精によって放出される精気をあえて放出せず、背中の管を上昇させ脳までエネルギーを引き上げる、相当プロフェッショナルなやり方。

性エネルギーが体内を循環し、全身を若返らせ健康を保つのです。

あなたが仙人を目指すなら、このような<精>を完全に漏らさない生活が良いでしょう。

漏らさず貯めたエネルギーで超人的な能力を発揮できるはずです。

しかし普通の人の場合それは不可能に近い。

なので性行為の長所と短所との妥協策として、「接して漏らさず案」が浮上したと考えられます。

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理想的な交接回数とは一体どのぐらいなのでしょう?

書物によって諸説あるようですが、益軒流の年齢別交接回数はこうだそうです。

   20代 4日に1回

   30代 8日に1回

   40代 16日に1回

   50代 20日に1回

   60代 1ヶ月に1回(ただし体力がある場合)


交接は季節によっても健康に影響を与えるそうで、「冬の1回は春の100回に当たる」とし、寒い時期の射精は控えることを勧めています。

その他、体位とか性行為の方法で病を癒す方法とか、相手から一方的に<精>を吸収して健康になる方法(呪法?)とかもあるようで、奥が深すぎて一筋縄では行かないみたいですよ。

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【四十以上の人は、交接のみしばしばにして、精気ををば漏らすべからず】

「ストイックになれ」という意味で益軒はこう言ったんじゃないんです。

むしろ健康のために交接を奨励していた節がある。

「接して漏らさず」なら「情欲を無理に制することなく精気を保ことが出来る」と益軒は奨めている訳なんですね。

しかし、闇雲にイタせば良いってものじゃなく「SEXをクオリティ・オブ・ライフのために活用しなさい」と言っているのです。


我々が学校で習う性教育とは随分と違うものですよねぇ〜

<養生>という観点からSEXを考え、そして人としての幸せに導く指導です。

<まぐわい>という人間の根源的行為を、むしろ芸術のレベルにまで高めて、人生の中で昇華させるべし、と教えてるように聞こえますよね。

貝原益軒という人自体20歳以上も年の違う若い女性と結婚して、その当時の80歳台まで長生きしたらしい。

だからその言葉にはかなりの信憑性がありそうです。


たかがSEX、されどもSEX。

先人の秘法をありがたく受け止め、皆んなで<養生>したいものです。

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by viva1213yumiko | 2016-03-27 18:59 | 美容・健康 | Comments(0)
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