シエラザード世界選手権大会

<千夜一夜物語>に出て来るシエラザード姫。

実は私、彼女をいたく尊敬してるのであります。

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昔々のアラビア某国。

妻の不貞を垣間見て、女性不信になったシャフリアール王は荒れまくっておりました。

国の若い女性と一夜を過ごし、すぐさま殺してしまう連続猟奇殺人で、世間を震え上がらせていたのです。

大臣の娘シエラザードは意を決し、自ら王の元へと嫁ぎます。

そして夜な夜な、シャフリアール王に物語を語り始めたのです。

「アリババと40人の盗賊」「アラジンと魔法のランプ」「船乗りシンドバッドの冒険」

その他にも、実在した王やお姫様や英雄たちのお話しも・・・

心傷ついたシャリアール王のため、毎晩お話しを聞かせてあげたのです。

そして話しが佳境入った頃になると必ずこのセリフ。

「続きはまた明日のお楽しみ♡ To Be Continued 」

当然王は焦れて、「もっともっと」と話しを聞きたがった。

このような調子が二百数十日続き、ついに王は花嫁を殺すことを諦めました。

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このシャフリアール王という方も、随分とお気の毒な方ですよね。

彼の痛みを想像すると、嫁さん不信になっちゃうのも当然でしょう。

しかしそれより何よりアッパレなのは、シエラザードの行いです。

殺されないための策とはいえ、毎夜物語を語り、まずは王の心の癒しから始めるとは・・・

シエラザード、凄い才覚じゃありませんか。

世の権力者の奥方が、皆さんこのような能力をお持ちだったら、世界の争い事の半分くらい即刻解決出来るんじゃないかってそんな気がしちゃいます。

このように物語には人の心を癒す力があるのです。

語り部シエラザードは、シャフリアール王の専属セラピストの役目を担っていた訳ですね。

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物語は人の心を癒します。

人は物語のイメージ力に癒されるのです。

物語が持っているその再生のイメージに、人は心動かされ癒されるんですね。

シャフリアール王も傷が癒える頃には全てを悟り、きっと改心するに違いありません。

王の心が癒されたなら、同じように王権も癒されることでしょう。

王権が癒されれば、王国もまた癒されるはずです。

王と王妃の絆が強く結ばれたなら、この国は領民に愛される王国に生まれ変わるはずなのです。


そう思うと荒廃した国家を立て直すためには、葬られ忘れられた<民族の痛み>を癒す必要がありそうです。

様々な人々の様々な想いを<鎮魂>しなければなりません。

今、日本という国がどこかモヤモヤしてるのも、抑圧された様々な想いがあちこちから噴出しているから。

その原因を見つめようとせず放っておいたなら、気づいた頃にはシャフリアール王のように、手のつけられない状態になってるかも知れません。

はっきり言っちゃいましょう。

内側の痛みを外の世界の何かのせいにしてるうちは、本当の問題解決なんて望めないんです。

おとぎ話ですらちゃんとそう伝えているというのに・・・

いつでも大人たちのやることには、ホント困ったものです。

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さてそんなことをボンヤリ考えてるうちに、またしても私の妄想がうるさく騒ぎ始めました。

それはシエラザードみたいな語り部たちの力で、世界平和を計画する話しなんだけど・・・

「決して笑わない」って約束する?

そう? それではこっそり教えましょう。


「パンがなければケーキを食べればいいじゃないの」と、マリー・アントワネットは言ったらしいが、確かにお金持ちが貧しい暮らしを想像するのは難しいことですよね。

人は想像のすることの出来ないものは、理解不能なものなのです。

理解出来ないものを目の前にすると、人は恐れの反応を示します。

そしてその恐れが見えない壁を作ってしまう。

恐れの感情がいとも簡単に敵を作ってしまうのです。

だから世界平和を本当に願うなら、あなたが無意識のうちに敵とみなしてるもの(本当は恐れているもの)を理解するよう努めること。

それが大事なポイントです。


この世界を導いてる指導者たちには、そこらへんが分かっているのでしょうか?

「他者への共感力」の大切さを、どの程度理解してるのでしょうか?

もしかして地球にとって最も有害となるのは、指導者たちの<想像力欠如>じゃないかと思わずにはいられません。

各国の元首クラスの人々の感性を塗り直す、情操の再教育が必要です。

語り部たちの心揺さぶる物語で、指導者の心の歪みを回復して頂く、そんなプロジェクトが必要です。

未来の地球を正しくイメージし、人類愛に目覚めて貰い、戦争する気が萎えてしまったら、これは御の字じゃありませんか?

<シエラザード・プロジェクト>

要人たちを物語で魅了するのです。

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指導者たちは毎夜お話しをせがみ、涙を浮かべ世界平和を希求するようになるかも知れません。

言うならば、世界平和のための<ハニートラップ物語大作戦>って感じでしょうか?

語り部がグレダ・ガルボみたいな美女なら最高ですが、そうじゃなくても一向に構いません。

物語ることが上手ければ、別に色恋に発展しなくても構わないじゃないですか。

役者とか落語家とか、プロの芸人さんでも構わない訳ですよね。

中世の王宮では旅の吟遊詩人が外国の情報を伝えました。

それを思うとミュージシャンなんかも適役でしょう。

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各界で語り部が活躍する<語り部社会>ってのは、きっとステキなものに違いありません。

語り部の力を外交に使えば<語り部外交>が成り立ちます。

各国大使はきっと競うように噺家に落語を習いに行くでしょうね。

経済もストーリーを持つ商品じゃなければ人々に見向きもされなくなる。

<語り部経済>の誕生です。

教育現場では<語り部教育>が主流となり、語りの達者な老人が活躍する<語り部福祉>社会が生まれるでしょう。

そのような社会では、語り部技能者を讃える国際大会が必要となります。

4年に1度、五大陸で順々に催される<シエラザード世界選手権大会>が開催されるはずです。

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<Wシエラ杯>

それは嘘八百でも構わない。

物語の力が人にどれだけ希望を与えるか、世界平和に貢献するかが競われる大会だからです。

笑える話し、恐ろしい話し、涙なしには聞けない話し。

あの世の話しや、不思議な話し。

宇宙の話し、神々の話し。

動植物や自然科学・機械工学・歴史哲学の話し。

<Wシエラ杯>出場の選手たちは祖国の名誉を背負って、優れた話しを競い合うに違いありません。


しかし表彰台でメダル争いをするような優れた選手たちは、皆揃って似たような話をしてると気づかされることになるでしょう。

どこの国の選手であろうと、「人類はひとつ」「地球もひとつ」「愛とひとつ」という物語を、結局は語ることになってしまうからです。


<Wシエラ杯>

地球人みんなのための神話が、今求められてるって気がするのです。

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by viva1213yumiko | 2016-07-31 00:21 | おとぎ話・こぼれ話 | Comments(0)
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