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カウチがやって来た

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山小屋暮らしを経験して、4回目の冬が過ぎようとしている。

薪の扱いにも慣れ、食後には自作のお菓子やお酒でゆっくりくつろごうじゃないか、という余裕も生まれて来ました。

しかしそこで、はたと気付いてしまったのです。

「この家にはカウチがない!」ってね・・・

考えてみると、ずっとダイニングチェア(キャンプ用チェアで代用)か、小さなベンチ(本来は植木鉢置き)に腰をかけて食後の読書・TVを楽しんでいたんですよね。

のこぎりや斧やチェーンソーが何気なく置いてあり、火付け用の紙や小枝があちこち散らばっている。

備蓄用の食料・燃料は震災以降増える一方だし、空き瓶やペットボトルも、後から必要になるからと捨てられない。

こうして山小屋ならではの生活必需品が増えて、家の中はほとんど作業場。

インテリア雑誌みたいな<薪を囲んでくつろぐ暮らし>を目指していたのに、どこか違うなぁとも思いつつ、ごく当たり前のようにキャンピングチェアー生活をしていました。


ところがです。

ある雪あがりの夜、近くを散歩していて発見してしまったんです。

粗大ごみ置き場の、レトロなソファーセットを・・・


昔、オフィスの応接室でよく見かけたビニール張りのソファーセット。

スプリングは傷み、裏張りの生地も剥がれているけど、まだ十分に使えます。

しばらく前からカウチが欲しいなぁと気になっていたところなので、「これは天のお導きだ。ありがたい」と深く感謝し、持ち帰る事にさせて頂きました。


山小屋でひと冬を過ごしていると、世の中と完全に孤立してしまうような恐怖に襲われる事があります。

自然界は冬眠中でも社会はめまぐるしく動いている。

その渦から完全にはぐれてしまったような、言いようのない孤立感です。

実際にはTVも電話もネットもあるので社会とちゃんとつながっているのだが、雪が降り続けたりすると、神様さえ自分に気付いていないんじゃないかと思えて来るのです。


しかし、天は我を見放さなかった。

引き寄せの法則は山の中でもちゃんと通用しておりますよ。

今までの山暮らしで必要なものは、不思議と手に入ってしまいました。

特にどうしても必要なもの、緊急性の高いものほど願望実現のスピードは早いみたいですね。

   「神はあなたの髪の毛の一本が抜ける事までご存知です。

    だから汝、思い患う事なかれ」

っていう聖書の言葉。  

あれって、本当だったんですね。


夕食後、デザートを食べながら、カウチでくつろぎ考えてみる。

次は骨董屋にあるような、美しい足踏み式ミシンが欲しいなぁ。

いいや、必要なんだけどなぁ〜




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by viva1213yumiko | 2012-02-29 14:19 | 衣・食・住 | Comments(0)

薪ストーブライフ

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山小屋暮らしの中心は、何と言っても薪ストーブですね。

これがなければ越冬時、それこそ命に関わってしまう。

真夏でも朝晩冷える時や湿気を飛ばしたい時には火を入れるので、ほぼ一年中フル稼働。

家でも居間の真ん中にドーンと据え付けてあり、何をするにも優先事項の第一位として君臨しています。


火はとても神聖なエレメント。

我々の命を養ってくれるありがたいものです。

心に潜む悪しき思いや、悩ましい感情を炎の力で焼きつくし、浄化させてくれる力を持っています。

なので手作りのささやかなものではあるが、神棚を設置してストーブの神聖な火に敬意をあらわしてみました。


薪で暮らしてると言うとゴージャスな暖炉か、頑丈な鋳物製の輸入ストーブをイメージするかも知れませんが、別荘族の優雅な趣味とは違い、我が山小屋暮らしはそんなに甘くはないのです。

田舎のホームセンターには薪ストーブコーナーが広く取ってあるのですが、そこには時計ストーブやごみ焼却器、ペレットストーブ、災害時の炊き出し用かまどストーブなど、各種の燃焼系機器が揃っています。

それらの中から実用性と経済面からチョイスされたのは、薄い安物の鉄板の煮炊き兼用薪ストーブなのでした。(知人のW氏曰くルンペンストーブ)

暖房はもちろんのこと、調理用コンロ、焼き物グリル、スチームオーブン、湯沸かし保温器、食器乾燥器、衣類乾燥器、消臭除湿器の役を一手に引き受けてくれています。

居間の真ん中のこの一台で、全ての家事を効率よくこなしてしまうのです。

何ということなんでしょう。

電気・ガスを全く使わず、これだけの機能が果たせるなんて・・・

改めて考えてみるとすごいことですねぇ。

これぞまさしく、省エネ時代期待の星!


しかし、もちろん欠点もありますよ。

薪の調達、灰の処理、火加減の調整と、何をするにも時間と手間がかかります。

きちんと愛してあげないとダメなんです。

あとそれから、今は何より焼却灰の放射線量が気になりますね。


もしあなたが、快適便利な消費文明に疑問を持っていて、かといってどうすればいいのか考えあぐねていて、時間に余裕があり、愛に溢れた人ならば、電気の使用ゼロ%のこんな機器を試してみるという手もありますよ。




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by viva1213yumiko | 2012-02-19 13:14 | 衣・食・住 | Comments(0)

楽しい計画停電の過ごし方

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あの計画停電の時、みなさんはどのように過ごされましたか?

私はちょうど那須の山小屋に滞在中でありました。

人によっては大変不便な思いを強いられたはずなので、不謹慎な発言だとは思うのですが、私にとっての計画停電はそれはそれは楽しゅうございました。


「今日は夕方5時から計画停電だって・・・」

インターネットで停電の正確な実施情報を仕入れておくのが、まず最初のステップです。

明るいうちに食事の下ごしらえを済ませ、今夜の分の薪を用意し、手ぬぐい持って温泉へ行くのです。

日没と共にローソクの明かりで入浴させてくれる温泉があるので、キャンドルナイトのお風呂を楽しみます。

湯けむりの向こう。

ぼんやりと神秘的に揺らめく明かりが体をトロトロにほぐし「いつも以上に効く〜」

帰宅してテーブルのキャンドルを灯し、古いラジオもつけてみる。

余談を許さない原発のニュースがエンドレスで続いている。

聞けば聞くほど不安になるので、ニュースは止めてお気に入りの音楽を流してみましょう。

そしてゆっくりワインを味わってみるのです。


   夜は長い

   PCもTVも使えぬ夜

   無くしたものを問うてはみたけど

   窓から月は笑うだけ・・・


キャンドルと月明かりのせいで、いつもの夕食がこんなにも五感を刺激するとは驚きです。

視覚の感覚刺激が制限されることによって、他の感覚器官が活性化されるのでしょうか?

食事も音楽もいつもとみんな違って感じる。


いろいろと試してみたが、停電にはエディット・ピアフの歌が一番似合うみたいでしたよ。

すきま風の入る小屋、質素な食事、薪で体を暖め、ピアフの力強い声を聞く。

あれ? 今は戦時下だったっけ?

ふとデジャヴュに襲われてしまいます。

さっきまでぬくぬくと温泉に入っていたことも忘れて、自分たちがレジスタンスの地下活動に命を捧げる若き革命家の気分になって来るから不思議です。

「この革命が無事に成就する日まで、お互いの気持ちは隠しておこうね」

「そうね、私たちの本当の未来は、そこからスタートするのね」

銃声の音はだんだん近くなって来る。

テーブル越しに手を握り、見つめ合う二人。

そしてピアフは歌うのです。

私は負けない!

愛こそすべて!と・・・

(もちろんこのシチュエーションで倒すべき敵とは、T電力のことを指しているんですね。)


どうですか?

楽しい計画停電の過ごし方は・・・

人はちょっとした想像力さえ持ち合わせれば、大抵のことは乗り越えられる。

あなたもこんな<停電ライフ>体験したくはありませんか?


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by viva1213yumiko | 2012-02-17 15:42 | 衣・食・住 | Comments(0)

METライブビューイングオペラ

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オペラは敷居が高いと思はれる方にオススメなのが、映画館で観るオペラだ。

NYのメトロポリタン歌劇場など、昨今はライブ配信をする劇場があって、誰でも気軽に海外の一流オペラを楽しめるようになりました。

もちろん劇場に足を運んで生の声を聞くことには叶わないが、それでもこのライブビューイング、かなり楽しめる。


何台ものカメラが入っているので、いろんな角度から舞台を見ることが出来るし、スターの表情と演技力をアップで眺められる。

幕間休憩にはインタビュアーが舞台裏に入り込み、スタッフから制作秘話などこぼれ話を聞き出す。

それが新鮮でエキサイティングだということで、世界中に新しいファン層を獲得しているのです。


そんなMETライブビューイングで「エンチャンテッド・アイランド」という世界初演の新作オペラを鑑賞しました。

最近人気が高いバロックオペラの新作です。

ヘンデル・ヴィヴァルディ・ラモー等、バロック期の既存作品を寄せ集めてひとつの作品に作りかえたものです。(パスティーシュという形式らしい)


物語はシェイクスピアのテンペストと真夏の夜の夢を足したファンタジーで、魔法をめぐる恋愛ドタバタコメディ。

魔法使いが操る魔法のせいで、若いカップルはお互いに別の相手に惚れ込み大混乱するが、最後には元の鞘に納まってハッピーエンド、というおなじみのストーリーです。

演出と美術がまた素晴らしく、背景のCG映像とコラボさせた魔術や嵐のシーン。

シルク・ドゥ・ソレイユ風の衣装の、アクロバティックな怪しいダンス。

海神ポセイドンが登場する海底のシーンなど、ワイヤーづりの人魚がたくさん宙を飛ぶわ、貝殻ブラの貴婦人方が大勢手招きするわの大スペクタル。

バロックのコッテコテ絵画みたいに大げさでドラマチックで・・・

思わず拍手が出てしまいます。


すったもんだの末、最後に魔法使いが皆に許しを請い、大円団をむかえる。

そして、フィナーレはみんなでこう合唱します。

「愛と慈悲の力があれば、地上は天国になる
 
 天と地を結んで、この場所を天国にしよう!」


この世のものとは思えぬほど清らかなソプラノやカウンターテナーを、3時間近く聞いてみてご覧なさい。

その後にこんなこと高らかに大合唱で歌われたら、

「ほんと!そうだわ!愛と慈悲の力で、この世を天国にしようじゃないの!」

って、真剣に涙目になってそう思っちゃいますよ。




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by viva1213yumiko | 2012-02-15 01:43 | オペラ・バレエ・映画 | Comments(0)

牧神の午後

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ドビュッシー作曲「牧神の午後の前奏曲」を聞いた事ありますか?

この曲はバレエ音楽として有名です。

20世紀初頭のロシアの伝説的バレエ団<バレエ・リュス>で、これまた伝説的ダンサーのニジンスキーが自ら振付けた作品として有名なのです。

ギリシャ神話の牧神パーンの物語ですが、当時としてはかなり過激で前衛的。

初演時のパリでは、ニンフの姿に発情した牧神のHな行為が、猥褻でスキャンダラスだとして酷評されたようです。

ところが噂を聞いたご婦人方がわんさと詰めかけ、逆に興行は大成功。

ニジンスキー人気は不動のものとなったのです。


ゆるゆるとした春の午後。

昼寝を楽しむ牧神のそばを、美しいニンフたちが水浴びのため通りがかります。

一人のニンフが落として行った薄いベールを拾ったパーン。

ベールに残った乙女の移り香を嗅ぐうち、牧神のエロスもまた春の開花を迎え、

そして、いつしかひとり・・・


ニジンスキーは、この舞台を古代アッティカの壷絵みたいな平面構成で振り付けています。

エジプトの象形文字もそうだけど、人も動物もなぜかみんな横向きののっぺりした絵。

美術の教科書で見覚えがありませんか?


このバレエ作品、出演者はみんな横向きのポーズで踊っていて、舞台上で壁画の展開を楽しめるような演出になっているのです。

そして神話的な世界が、今見てもありえないほど前衛的に、見事なポエムとして表現されています。

ドビュッシーの音楽がまた素晴らしく美しく、古代ギリシャ人のどこか牧歌的な神々へ思いと田園の風景とが、どんぴしゃりとイメージできるのです。


私が愛する那須の地にはたくさん牧場があるので、のんびり草を食む牛や羊をあちこちで見ることができます。

けれど、牧神は一体どこに現われるというのでしょう?

観光客の多い南ヶ丘牧場かな?

放し飼いの森林の森牧場かな?

経営破綻したあぐら牧場かな?

それともギリシャの神様は、管轄エリア外には降りて来ないと決まりがあるのかな?

放射能汚染が気になって躊躇しているのかな?


そんなこと

のたりくたりと考えてみる

春の訪れ待ちわびながら




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by viva1213yumiko | 2012-02-13 16:10 | オペラ・バレエ・映画 | Comments(0)

軒下生まれのノラ

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寒波がやって来た。

那須の山小屋は、震災の歪みでさらに隙間風が入るようになり、薪の消費量がますます増えてしまいました。

去年軒下で生まれた野良猫も寒さがこたえるのか、いつもに似合わず餌をねだりにやって来ます。


ノラちゃんは自立心が強いので、自分の食料は自分で調達する。

人に甘えるそぶりはめったにみせない。

餌付けしようとして、残りご飯をベランダに置いておいても、

「おかかご飯?あんまり好きじゃないんだけど・・・まぁしょうがないわね」

といった感じで、お愛想程度にこっそり一口試すだけだったのです。


しかしこの寒さはさすがにひもじいらしく、このところ毎日現われるようになりました。

おかかご飯でも残さずに食べるようになったし、サバ缶ご飯とか、バターライスなんかを与えてみると見事に完食し、満足そうに大きな伸びをして去って行きます。

そして軒下に積んである、一番暖かい藁の束で昼寝するのです。


実は彼女(本当はオスかメスか定かでない)左足が不自由です。

怪我をしたのか放射線の影響なのか、少しびっこを引いている。

だから冷え予防の対策を施しているのか、自分のしっぽを痛む前足に巻きつけ、じっと餌を待つポーズをよく見せます。

自前のレッグウォーマーで保温し、関節痛の痛みをだましだまし冬を越しているみたいなのです。

泣かせるではありませんか・・

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けれど、彼女はあくまでも気まぐれ。

そしてあくまでもマイペース。

春になって遠出が出来るようになったら、いつでも干物やフライドチキンなんかを分けてもらえる、もっと裕福な家の軒下に間借りしてるかも知れませんね。



ノラちゃん

なにものにも屈しない、高貴な精神

自由と孤独をともに愛す、しなやかなる姿態

見えない世界と交信する、繊細な感性

自然界の掟に逆らうことのない、そのおおらかさ

ノラちゃん

私の欲しいものすべてをあなたは持っている。




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by viva1213yumiko | 2012-02-09 12:43 | おとぎ話・こぼれ話 | Comments(0)

節分

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節分の祭りは、春の訪れと密接に関わっている。

冬が完全に去って春が訪れるちょうど境目の時期に、鬼たち(それは死者たちの魂のことを意味する)を呼び寄せ、それを送り出す儀礼を行う。

死者たちの支配する冬の世界から、あえて鬼たちを呼び起こし、そして追い払うことで春の訪れを確実なものにさせるという意味が隠されています。

つまり冬の寒さを掌握している鬼たちに、豊穣の象徴である豆を投げつけて、生命力エネルギーの甦りを願っているのです。



そう、豆は生命力の象徴。

鞘の中の一粒一粒に、偉大な魔力が隠れている。

年の数だけ豆を食べるのも、魔力を取り込みたいという人間の願望なのかも知れません。

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それにしても、節分でばら撒かれた日本中の豆が、ジャックと豆の木みたいにぐんぐん育ってくれたなら、CO2問題もすぐに解決するのだろうに・・・

高層ビルに暮らす人たちも、ご近所付き合いは豆の蔓をつたって上り下りしてみたり・・・

近未来的な、なかなかいい眺めかも知れませんね。




 

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by viva1213yumiko | 2012-02-03 20:08 | 季節・行事 | Comments(0)

エトワール

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フランス人はランキングがお好き。

ワインでも、レストランでも、何にでも格付けしたがるのがお好きなご様子。

それは現在来日中の、パリオペラ座のバレリーナ達にも当てはまるお話しです。


オペラ座のダンサーはピラミッド構造をした、厳格な格付けシステムで構成されています。

<エトワール>

<プルミエール・ダンスール>

<スジェ>

相撲で言えば、横綱・大関・関脇に相当し、舞台でそれなりの見せ場を与えられています。


最高位はエトワール(星を意味する)と呼ばれて、テクニック、容姿、気品、人格どれをとっても人一倍抜きん出て、輝く星のような存在にのみ与えられる称号なのです。

生きた芸術品としての人生を運命づけられた、人間国宝なみの踊り手を指すのです。


それに選ばれるのはとても凄いことで、

「天上界に住む人々の優雅さ、美しさは、あなたの踊りのように気品に満ちているのですよ。」

「あなたの踊りは、人間を通り越して、もう神の領域に入っちゃいましたよ。」

と認められたということなのです。


彼らは舞踊家にして年金を受給する国家公務員でもある訳だから、フランス国家にそうお墨付きを頂いたということなのですね。


元々オペラ座バレエ団は、踊ることが大好きだったルイ14世の趣味が高じて作られたバレエ団。

太陽王はより完璧な踊り手を育成したくて、王立のバレエ学校まで創立してしまいました。

ゆうに400年以上の歴史と格式を持っているのです。

フランスという国の芸術文化に対する姿勢、厚みを思い知らされますね。


おフランスの伝統とエスプリ。

その生きた象徴こそが、まさにエトワールという存在なのです。




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by viva1213yumiko | 2012-02-01 22:43 | オペラ・バレエ・映画 | Comments(0)