東京の予定を無事終えて、ひさかたぶりに那須に戻りました。 衣替えも済ませたのに最高気温30度近い日もあり、電車にはクーラーが必要で、アイスコーヒーがぶ飲みの<東京世界>から一転、澄み切った青空を背景に、広葉樹の色が日々刻々と進行中の<田園世界>へとスイッチです。 季節は秋の真っ盛りで、刈入れを終えてる田んぼもたくさん見受けられました。 それもそのはず、10月8日は二十四節気の<寒露>つまり霜になりそうな冷たい露の時期なのであります。 雁などの冬鳥が渡って来て、菊が咲き始め、コオロギなどが鳴き止む頃であります。 実は私、この二十四節気と雑節の<旧暦>がとても好きなんです。 田舎暮らしを始めてから、この古めかしい暦がすごくリアルな感じで身体感覚に刻まれる様になりました。 都会で生活していると移り変わる自然はなかなかイメージし難いし、実際温暖化のせいか天候と暦のあいだのズレが気になってしまいますよね。 しかし稲作をする人々にとって、二十四節気はまさに生活のためのカレンダー。 生活上とても便利なこのツールに、古めかしいもへったくれもありません。 いつ頃田んぼに水を張ったらいいか・・・<穀雨> いつ頃田植えをするべきか・・・<芒種> いつ頃収穫に取りかかるべきか・・・<寒露> たとえ教えてくれる大人が一人もいなかったとしても、暦を見ればそこからすべて見当がつくという優れものです。 農繁期の山場、稲刈りが終わると収穫を祝って各地で秋祭りが催されます。 大いなるものに五穀豊穣の感謝を捧げる。 人々の活動エネルギーも劇的クライマックスを迎え、やがて静まる。 その辺りから霜が降り始め<霜降>、小雨がしとしと続く様になり、ツタやモミジが黄ばんで落ち、虫が皆穴に潜って動かなくなる。 そして<立冬>を迎え、冬支度の準備が始まるのです。 この毎年の繰り返しのサイクルが稲作民族の年中行事になっているのだから、実に良く出来ていますよね。 現在のグレゴリオ暦カレンダーは、明治時代に西欧化を目指した政府に無理矢理改正させられた暦なので、それ以前まで延々と続いて来た稲作文化に相入れないのは、しごく当然の事なんです。 <寒露> 霜になりそうな冷たい露・・・ 確かに朝晩冷えて来ています。 東京から移動して来たばかりなので、身体がまだ寒さに慣れなくて余計にこたえます。 今日は天気が悪かったのでフリースをはおり、一日中ストーブ焚いてました。 自然に逆らわず、自然を受け入れて生きる。 とりあえず100%受け入れて生きてみる。 すると二十四節気の旧暦のリズムが、身体に染み付いた稲作民族のDNAを揺り起こすに違いありません。 それはまるで、思考回路が左脳から右脳にスイッチするようなもの。 グレゴリオ暦から旧暦へ・・・パチンとスイッチ! 不思議で甘美な何ともいえない感覚なんです。 #
by viva1213yumiko
| 2012-10-07 18:39
| 季節・行事
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