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不確かな記憶

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以前と比べると物忘れが増え、自分が時々嫌になる。


買うべき物を思い出せない。


見当外れの漢字を書く。


場所や名前がスッポリ抜ける。


世間には記憶力を鍛える<脳トレ>なんかも出回っているが、確実な対処法はやはりメモを残すこと。


小さなことでも一々メモするようにしています。(手書きに限る)


自分のオツムを過信せず、何でもメモに残しておくのだ。


おかげで学生時代にも出来たことない<ペンだこ>ってヤツが現れ・・・


エッヘン!ちょっと自慢したいかも!(笑)


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昔の知り合いに「一度見たものは絶対に忘れない」と豪語する人物を知っている。


その人が言うには、目にした風景や人物、その人物が言った言葉、見せた表情などを「まるでカメラを回しているかのように」記憶してしまうそうだ。


そしてその記憶を脳内の資料室に保存しておけるのだそう。


脳内の図書館には専門の司書がいて、常に適切な整理整頓がされている。


思い出すべき時が来たら書架から瞬時に資料を集め、いつでも再生準備が整うらしい。


その再生映像を元に「書いたり話したり」をしているらしく、実に優れた脳スペックをお持ちなのです。


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残念ながら私の脳はそう言った機能を持ち合わせてない。


なので自分なりのやり方で記憶を活性化させるしか、今のところ手立てはなさそうです。


私のやり方はこう。


「ええと、あれ、何だっけ?」


そういう風になった時、個人的な儀式のようなものを行うんです。


頭蓋骨側頭部をコンコンコンと3回ノックし、大脳の海馬周辺に<喝>を入れる。


そして小刻みに頭を左右に5~6回振ってみる。


写りの悪い旧式テレビをコンコン叩いたり、何度もON/OFFしたりして、蘇らせる感じに似てます。


そうしてみると、あら不思議!


忘れた人物の名前を立ちどころに思い出す。


もちろん医学的根拠はゼロなので真面目に信じて貰っては困るのだが、機会があったら是非試してみて欲しい。


旧式テレビでも扱い方次第で、まだまだ使えることが証明出来るはずです。


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そうは言っては見たものの、人間の記憶などどうでも良いことも目一杯詰まってます。


忘れた人の名を必死に思い出しても、役に立つのは管理上の都合のみ。


大事なのはその人の存在そのもののビーイングで、名前など単にレッテルに過ぎないのです。


それに第一相手の名前を忘れるってことは、その人にその程度の関心しか持ってなかったって証拠。


自分にとって大切な人のことは、誰も絶対忘れないものなのです。



いずれにせよ人間の記憶とは、結構<曖昧>で<あやふやな>ものだってことはハッキリしました。


その<曖昧>で<あやふやな>記憶を頼りに、私たちは人生を生きています。


いや、ひょっとすると「生きてると勝手に思ってる」記憶が再生されてるのかも知れません。


今回はそんなお話をしてみましょう。


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<一過性全健忘>という病気があります。


原因は良く分かっていないけど、ある時突然、数時間前からの記憶が失われてしまう。


自分の名前や住所などは覚えているのですが、どうして自分はここにいるのか、何をしようとしていたのか等の、前後関係の状況が分からなくなり、何度も同じ質問を繰り返したりする。


「これは大変だ!」と周りは心配する。


しかし大方の症状は、24時間以内に消えてしまうらしい。


50~60歳代の中年の方に多く見られる病気で、殆どの場合一生に一度だけ発症し、24時間以内には正常な状態に戻るとのことで、そんなに心配しなくて良いみたいです。


でもその間のことは、ずっと一生思い出せないらしい。


自分の人生の記憶の一部に、欠損部分が生じる訳です。


何だか気持ち悪いですよね~


脳の記憶に関係する<海馬>の機能が、一時的に低下するのが原因と考えられています。


大脳側頭葉の記憶や学習能力に関わる部分が、一時的にショートしてしまった感じなのでしょう。


ちなみに深酒して記憶を失くすケースのことは<ブラックアウト>と呼ばれており、これには当てはまりません。


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そしてその記憶が一過性では済まされないケースもあります。


<前向性健忘症>と言って、昔の記憶は残っているけど新しく入って来る記憶を集積処理出来なくなる、そんな病気が存在するのです。


例えば脳の<海馬>の切除手術をしたケースなど。


<海馬>を切除した人に「今年は何年ですか?」と聞くと、いつもその人が手術を受けた年を答えてしまうんだそうですよ。


<前向性健忘>は過去の記憶にはアクセス出来るのです。


昔の記憶は保っているけど新しい記憶が定着して行かない。


何だかすこぶるややこしいけど、どうやらそういうもののようです。

   

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この<全向性健忘症>をテーマにした<メメント>という映画があります。


ある日、自宅に侵入した何者かに妻を強姦・殺害された主人公が、その時の頭の怪我で10分間しか記憶が持たない<全向性健忘症>になってしまう。


最愛の妻を殺された復讐のため、犯人探しを始めるのだが、何事にも記憶が続いて行かない。


訪れた場所や出逢った人を、ポラロイドカメラで写し、メモを書き残し、必死で記憶証拠を残そうとする。


そして重要なことは自分の身体に刺青し、事件の手掛りを追って行く。


でもそこまでやっても犯人には容易に辿り着けず、自分の手掛りが本当に正しいのか疑心暗鬼になってしまい、事態はさらに複雑になって行く。


そんなお話しです。



記憶を失って右往左往する主人公。


その混乱が映画を観る者にも体感出来るよう、映画の構成も時間の流れがぐしゃぐしゃに作られています。


時間軸が逆回転に歪み、何が何だか分からなくなる。


でもその分、記憶や思い出(メメント)というものが「いかに不確かなものか」ってことを、痛いくらい感じてしまうんですね。


記憶っていうのは、積み重なって行かないと存在しないのと同じなんです。


集積しないと時間は進んでかない。


時間が進んで行くのは(進んで行くように感じるのは)記憶あってのおかげってこと。


「まるで記憶にまつわる心理学みたいな映画だな~」


とそう思い、頭を抱えながら映画を観たのを覚えています。


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私は冒頭に「物忘れが増えて嫌になる」と言いました。


忘れることは困るし恐ろしいと、ネガティブな意味で言ったのです。


でももしかすると<忘れる>ということは、生きてく上で必要不可欠なことでもあるんじゃなかろうか?


もしかすると<忘れる>ために脳は動いてくれてるのかも?


そんな気さえして来てしまいましたよ。


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現在時代は大きな転換点を迎えており、情報やコミュニケーションが価値を持つ<風の時代>へ突入しようとしてます。


そしてその情報も、量より質が重視されるようになる。


巷に流れる膨大な情報の中から、自分にとって価値のあるものだけを、いかにピックアップし取り込んで行くか?


正直そこだけが勝負になってくと思うんです。


十人十色の価値観があって当たり前。


あなたの脳内に集まって来る情報は、あなただけに価値があればそれで良いのです。


あなたにとって価値あるものだけで、あなたの世界を創造すれば良いだけです。


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そして脳内に長期保存しておくのは、あなたの心を温める記憶にしましょう。


暖かな温もりある記憶だけで十分です。


<美しい記憶><力強い記憶><愛のある記憶>


過去の記憶があなたの未来を作ります。


幸福を創造する記憶だけを保存して行きましょう。


それ以外の記憶などすべて手放しても全然大丈夫。


すべて<断捨離対象>です。


どうでも良いことを覚えておくと頭の中はパンクしますよ。


そういう意味でも<嫌なこと><都合の悪いこと><価値の無いこと>は、早々に忘れてしまうに限るのです。


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おまけ:

先日ふと気づいたのですが、ブログ訪問者数が10万人を超えてました!(感謝)


YouTubeの視聴が増え、ますます活字離れが進行する中、いつも当ブログを読んで頂き本当にありがとうございます。


スピリチュアルとその周辺をテーマとし、マイペースに勝手なことばかり書いていますが、今後ともどうぞ応援お願い致します。


よろしくお付き合い下さいませ。





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# by viva1213yumiko | 2020-10-09 19:02 | オペラ・バレエ・映画 | Comments(0)