媚薬チョコ

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昔から「チョコレートは媚薬である」と、言われて来ました。

媚薬か否かで、17世紀には聖職者の間で活発な論議があったくらいです。

カカオにはカフェイン(興奮作用)とテオブロミン(精神安定作用)が含まれていますし、チョコの香りが脳に働きかけると快楽物質のドーパミンが分泌されるのだそうです。

また、恋して胸がときめいた時出てくるPEAというホルモンがカカオエキスから排出されるらしく、当然カカオ分が多い方が媚薬効果UPなんだそうです。

なんでも女性はチョコを食べると、目の前の男性がステキに見えて来るらしいですゾ。

まさにコーフン&リラックス&胸キュンの、<惚れ薬スイーツ>と言えるのではないでしょうか。


チョコレートが初めてヨーロッパに伝わったのは1526年。

マヤ人と接触したコルテスは、そこでマヤの王族や貴族の飲む貴重な飲料<チョコラートル>を知りました。

現地の言葉で苦い飲み物を意味するこの<チョコラートル>を、帰国したコルテスがスペイン王に献上したのが始まりだとされてています。

しかし<チョコラートル>は、カカオ豆を火で焙り、石臼ですりつぶしてドロドロの液状にしたものに、バニラや胡椒やトウガラシ等で味付けしたもので、非常に苦くヨーロッパ人の嗜好には合わなかったのです。

そこで砂糖を混ぜて口当たりを良くしたところ、王侯貴族や富裕層に瞬く間に広がって行きました。

やがて植民地栽培もされ、庶民層にも拡大したのですが、チョコレートドリンクは手工業的に作られていたので、その製法はあくまでも<摩訶不思議な秘方>でした。

チョコレートが媚薬と結びつけられるようになったのは、このようないきさつの為なのです。

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媚薬とは、異性の心を自分に引きつける薬のこと。

シェイクスピアなど、惚れ薬を主題にした物語も多いですよね。

普段は自分を袖にしていた絶世の美女(美男)が、小さな薬を飲んだだけで、次の瞬間からぞっこん惚れ込んでしまうのですから、いかに人が理想の伴侶を手に入れることを人生の大事と考えていたかの証しでもあります。


中世騎士物語の<トリスタンとイゾルデ>は、「一緒に飲んだ者は身も心もひとつとなって、生きている間も死んだ後も永遠に愛し合い続ける」強力な媚薬に運命を翻弄される男女の悲劇ですが、ここに登場する媚薬<フィルトル>は、草や花や木の根を葡萄酒の中に浸し、秘法をつくし、魔術を加えて完成させたものなのです。

媚薬<フィルトル>を作り、輿入れするイゾルデに渡したのは、アイルランド王妃の母親なのですが、王妃自らが薬草やら毒物やら秘儀やらを知ってる魔女でもある、という点がなかなか興味深いですよね。

古今東西、時の権力達の多くが媚薬の実在を信じて疑わず、巨費を投じてそれを探し求めたことなのでしょう。


しかし媚薬なら、この日本に驚くほどたくさんあったんですよねぇ~

一番有名なのが<イモリの黒焼き>

これは食するのでなく、<イモリの黒焼き>を粉末状にして、相手に気付かれぬようにその頭上にふりかけるといいらしいですよ。

不思議なことに相手は自分に一目惚れしてしまうというのです。

また精力剤的な扱いでは、<マムシ>や<ハブ>や<朝鮮人参>

それから<スッポンの生き血>とか、海の<ナマコ>も知られてますよね。

性に開放的だった江戸期は、<艶本>や<春画>も比較的容易に手に入ったし、愛の秘薬<惚れ薬>は粋な風俗として江戸川柳に詠われたほどです。

また、薬屋に実在したそれら媚薬の商品名も、<長命丸>とか<女悦丸>とか<たけり丸>とか、なんとも言えないネーミングで、ホント笑っちゃうのです。

江戸の人々のおおらかな遊び心には驚くべきものがありますよね。

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「チョコレートは媚薬である」

嘘みたいな話しだが、伊の近年の医学研究でも「チョコレートを日常食べる女性は、そうでない女性に比べてより良いセックスライフを送っている」と発表したんだとか・・・

カフェインや砂糖や、チョコレートの中のドラッグ的成分に常習性があることもこの手の媚薬伝説に拍車をかけているのかも知れませんね。

付き合い方次第で毒にも薬にもなるチョコレート。

バレンタインデーをきっかけに、是非皆さん、ご自分なりに媚薬の研究をしてみて下さい。




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by viva1213yumiko | 2013-02-04 13:01 | 衣・食・住 | Comments(0)
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