アポロンに愛され預言の能力を授かった、女予言者カッサンドラ。 しかし皮肉にも力を授かった瞬間、アポロンの愛が醒め捨てられる未来の自分が見えてしまった。 だから彼女はあえてアポロンを拒絶した。 すると怒ったアポロンは「誰もカッサンドラの預言を信じない」という呪いをかけてしまったのです。 カッサンドラには未来が手に取るように分かるのに、それを告げても誰も耳を傾けてくれない。 「私の預言は絶対当たる」と主張しても、ことごとく嘲笑されてしまうのです。 未来が手に取るように分かるのに、誰にも信じてもらえない。 そんな女予言者の孤独と疎外感。 それを想像出来るでしょうか? う~ん、これはとっても恐ろしい事ですねぇ。 この怖さ、特に女性には共感して貰えるかと思うんだけどいかがでしょう? なぜかって? 実はこの孤独地獄、日常の夫婦生活で再現される場合があるんです。 今回は誰にも信じてもらえない妻の苦しみ、<カサンドラ愛情剥奪症候群>のお話しをしましょう。 アスペルガーという脳の病気があります。 これ、脳の前頭葉の異常で起こる発達障害で、知的障害のない自閉症の一種と診断されてます。 子供の発達障害を調べていて発見されたもので、当初は子供にのみ見られる症例だと思われました。 ところが大人にも該当例があると知られ、一見普通に見える社会人の中にもこの障害を持つ人がいると分かって来ました。 彼ら<アスペな大人たち>には、主に3つの特徴があると言われます。 ⒈ 社会性の障害(俗にいうKY) ⒉ コミュニケーション能力の障害(俗にいう変わり者) ⒊ 想像力の障害(予期せぬ事にパニックしやすい) 男女比で比べると9:1程度にもなり、圧倒的に男性に多い障害なのだそうです。 なのでそうと知らずにアスペルガーの夫と結婚した妻は、他人には理解できない悩みを抱え込むのだそうです。 一説ではパートナーがアスペルガーの場合、妻が非アスペルガーだとほぼ100%の確立で<カサンドラ症候群>に陥るという。 そしてうつ病・自殺願望・パニック障害など、心の病を引き起こしやすくなるんだそうです。 誰に告げても信じてもらえない<カサンドラ愛情剥奪症候群> それはアスペルガーの夫との結婚生活で浮上する、神話に良く似た哀しい悲劇の物語なんですね。 アスペルガーは自閉症の一種なので、他者と感情を共有し、共に喜び共に悲しむ事が出来ない。 コミュニケーションが上手く取れないので、気持ちのあらわし方や、気持ちを伝えるタイミングがずれてしまうのです。 だから妻が寂しい思いをしてるとか、何で怒っているかとかが理解できないんだそう。 愛していない訳ではないのだが、妻が感情表現をしても全然気が付かない。 妻とのあいだに情緒的な相互関係が欠如しているのです。 しかも先天的な脳機能の偏りなので、おいそれと簡単には治らない。 一見すると普通に見える(むしろ高学歴・専門職だったりする)ので、外部からは「良い夫を持って幸せね」となる。 不満をこぼしても「あなたのように恵まれてるのになぜ?」「ワガママなんじゃない?」と、カッサンドラのように誰にも信じてもらえない。 誰かに相談してみても「男なんてそんなもん」「どこの夫婦も何かしら抱えてる」「うちも同んなじ」で済まされてしまう。 だから結婚してるにも関わらず、ひとりぼっちを押し付けられ、だんだん生きる気力を無くして行く。 低い自尊心・自己喪失感・混乱や困惑・怒り・不安・うつ・無気力・倦怠感・恐怖症・・・ 様々な苦悩を抱え込み、心の病へと至るのです。 それが<カサンドラ愛情剥奪症候群>です。 幸せな結婚は妥協と努力から・・・ 我々は結婚ってものを、そんな風に上の世代から教わってます。 だからアスペ夫を持つ妻は、コミュニケーションが噛み合ない事を「自分のせい?」と自らを責め、辛い状況に陥ってしまうんですね。 一般的に女性というものは、自分の中の感情を受け止めてもらえない日々が重なると押しつぶされてしまいます。 「期待しては裏切られ」の繰り返し。 愛情表現が下手なアスペ夫は自分では意図せぬまま、妻に対し精神的DVを与えてしまうんですね。 しかしこの悲劇、発達障害を持つ者とその配偶者に限定される話しでは済まされないんじゃないでしょうか? ある意味、コミュニケーション不全のすべての夫婦に当てはまる、怖い怖~い物語なのではないですか? カサンドラの悲劇に陥ると、あなたの愛情タンクはみるみるうちに消費され、枯渇してしまいます。 アスペ君の力になりたい、不安を取り除いてあげたいと優しく立ち回っても余計に空回り。 彼はひとりの方が心地良く感じてたりするんですね。 アスペルガーの傾向を持つ者は、愛情を感じるベクトルや基準が通常とは違うので、トンチンカンな受け答えをする。 なので妻はますます孤独になってしまうのです。 カサンドラさんは夫婦生活を空しく感じた時、自分で自分を肯定して愛情タンクを満たしてやる必要がありますね。 あなたの心と身体を慈しむ事、それがまず先決です。 肉体の中に気のエネルギーを投入してみましょう。 気の流れが変わり細胞のひとつひとつが輝き始めれば、苦しみモードから循環モードへとスイッチが切り替わります。 すると「何だ、自分の中に愛の感覚があったじゃないか!」と思い出す事も出来るはずです。 不思議なもので、考え方が変われば肉体の流れは劇的に変わり出す。 そういう意味でも人間の身体とは、とてもスピリチュアルに出来てるんですね。 [コミュニケーションにおけるありとあらゆるすれ違いは、相手が自分を犠牲にして快楽を得ているのではないかという妄想に基づいている] 以前コミュニケーションについてこんな文章を見つけて、確かにそうだなぁ~と思った事があります。 人間関係では、人は皆んな自分の痛みを相手に投影してしまう。 そこには魂の問題が見え隠れしています。 だからこそ話しはややこしくなり、ちょっとやそっとじゃ解決しないんですね。 我々は目の前で起こっている事のほとんどを条件付けで判断していて、決して真実を見ている訳ではない。 だから、[相手の苦の音を観察する事] がコミュニケーションの基礎であり、[相手の感情を浮き彫りにして受け止めてあげる事] が何よりも大切なのだそうです。 まずは相手を理解する事。 相手のパターンを知り、何を求めているか理解する。 相手の苦(ストレス)を察する事で対人関係は飛躍的に改善されると言います。 脳の障害なので治らないと言われるアスペルガーも、理解者に恵まれれば努力で変わるらしいですよ。 専門家の治療を受けてこの病気を知り、共に必死で対処法を学ぶうち、絆が生まれて関係が改善されたなんて言う例もあるようです。 もちろん人によりレベルは違うでしょう。 けれど大多数のカップルは、きっと今よりも良い関係が築けるはずなのです。 そのためにはコミットメントが必要です。 人と人の心は痛みによって結びつく事もある。 あなたは愛する者の痛みを共有する勇気がありますか? カサンドラの悲劇・・・ <愛を忘れてしまった者たち>に是非読み返してもらいたい物語です。
by viva1213yumiko
| 2015-10-29 00:56
| 人生・霊性
|
Comments(0)
|
カテゴリ
検索
最新の記事
以前の記事
2021年 11月 2020年 12月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 more... 記事ランキング
タグ
|
ファン申請 |
||