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ジャータカ物語

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古代インドでは「現在の我が身の存在は過去の生涯の延長である」という、輪廻転生思想が前提です。


「輪廻思想のせいで未だにカースト制度が廃れない」と言われるくらい、インド人の精神には輪廻の考え方が深く刻み込まれています。


つまり輪廻するのが当ったり前の世界なんですね。



でもそうだとするなら、最高の悟りに至った仏陀なんかは、過去の生涯で相当たくさんの功徳を積んだことになる。


「仏陀は前世でどんな生き方してたんだろう?」


「どうすりゃあんなに功徳を積めるの?」


「知っているなら誰か教えて〜」


多くの仏教徒がそう考えたに違いありません。


だからそのニーズに応える必要があった。


お釈迦様の生き様を、過去世のレベルまでのぞき見し、子供にも分かる寓話に仕立て読み聞かせる。


お釈迦様の本生譚、<ジャータカ物語>の誕生です。


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<ジャータカ物語>にはお釈迦様の過去世の人物がたくさん登場して来ます。


国王・王子・大臣・バラモン・仙人・学者・商人・職人・盗人・・・


お釈迦様のように徳の高い人間には、数え切れないほどの過去世があるはず。


今までの輪廻でありとあらゆる人物になり、善行を重ねて来ているはずだ。


と、そういう解釈なんですね。



さすがに仏陀になるような大人物。


我々とは善行のスケールが異なります。


<ジャータカ物語>の一節は法隆寺の国宝<玉虫の厨子>にも描かれていますが、飢えた虎の母子が気の毒だからと自からの肉体を提供したり(捨身飼虎図)、後世の人に尊い教えを伝えるため崖から飛び降りて命を差し出したり(施身問偈図)。


生きとし生けるものに対する慈悲心を、そりゃもう凄まじいほど持ち合わせているのです。


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人間だけでなく、釈迦は大小の動物や鬼神にもなって登場する。


老人に食べ物を捧げるため、自らの身を火に投じたウサギの慈悲の行いは、月にまで登って後世に伝えられてます。(月のうさぎの話し)



いずれにせよ何に生まれ変わったとしても、その時々の役所に応じて衆生を救済する。


そして「生きとし生けるものを救いましたとさ」とまとめてしまう。


読む者・聴く者に善行を推奨するためです。


輪廻転生のお話しは、子供の道徳教育にもバツグンの効果があるのです。(笑)



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仏陀の教えでは、すべての生きとし生けるものは輪廻転生します。


肉体は一時的に滅びても、魂は滅びることなく永遠に続く。


我々のような一般人は、死んでも今と同じように人間に生まれ変わるとは限りません。


我々が行なって来た行為の良し悪しで、六道輪廻(天・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄)のいずれかの世界に生まれ変わらなければならないとされている。


人によっては今は何とか人間をやってても、次の生では昆虫・動物・鳥・魚などに生まれ変わる可能性もある。


しかし悟りを開いた一部の菩薩は次の生でも人間に生まれ、すべての生きとし生けるものの為に働き続けると信じられているのです。



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チベットのダライ・ラマ法王もその一人ですよね。


ダライ・ラマは悟りを開いた観音菩薩の化身であり、チベットの人々を救済するために生まれ変わって来ると、チベットの人々は固く信じています。


現在のダライ・ラマの輪廻転生は、1世法王から数えて有に600年の歴史がある。


それより前まで遡れば「仏陀の時代まで行き着く」と、法王ご自身もそう仰っている。


と言うことは、軽く見積もっても2500年以上。


ね〜、これですもの。


輪廻や解脱に関しては、皆さんも気を長~く構えておかないといけませんよ。


解脱なんぞは、そう簡単に出来っこないんですから・・・(笑)


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現在のダライ・ラマ14世法王は、2歳の時に転生が認められ、たった4歳で親元から離れ王宮で暮らし始めた。


チベットの<輪廻転生制度>によってです。


ダライ・ラマの<転生認定>は、様々なプロセスを経て決定されるようです。


まずは先代法王の遺言・遺体の状況・神降ろしによる託宣・聖なる湖の観察・夢占い・何らかの奇跡などによって、次のダライ・ラマが生まれる地方や幾つかの特徴が予言される。


捜索隊がその地方に住む子供を探し、誕生時の特徴や幼少期の癖などから、予言に合致する候補者が何名か選ばれます。


その上でその候補者が本当の化身かどうか、前世の記憶を試して調査される。


先代ゆかりの品物とそうでない物を見せたり、先代と同じ癖があるかなどで転生の認定がされるのです。


小さな子供が法王の側近しか知り得ない情報を知っていたりするのだから、<輪廻転生制度>にはまったく驚かされます。


ひょっとして我々の<民主主義制度>より嘘がなく、有意義な側面があるかも知れませんね。

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生まれ変わりの記憶を持つ子供って結構多いみたいです。


子供は自我の意識がまだゆるく、やすやすと宇宙意識に扉が開く。


でも6~7歳になり学校へ行く頃になると、扉はピタッと閉まってしまう。


そうでないと自我が育たず、社会生活が送れなくなるからです。


でも本来の私たちは子供時代の頃のように、純粋な記憶にアクセス出来るはずなんです。



誰もが過去生の記憶を、記憶の保管庫にしまい込んでます。


そう、誰もがです。


口には出さないけど、その件に関してはうっすら心当たりある人も多いんじゃないかしら?



過去の経験による喜怒哀楽の感情は、忘れたように思えても心の奥にパターンとなって記憶されます。


その記憶情報はクラウドに移動して保存されているのです。


だから私たちは、普段その情報にアクセス出来ません。


人は皆生きるのに忙しく、クラウドの保管庫のことなどすっかり忘れてます。


またどうしても必要な時には思い出すようになっているので、強引にアクセスする必要もないのです。



しかし今のこの時代、魂の進化のスピードも急速に上がって来ています。


このような記憶情報の仕組みを理解し、純粋な生き方を実践するなら、過去世の記憶を呼び覚ませる人は続出するはず。


あなたも自分の<ジャータカ物語>を語り始めるかも知れませんよ。


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<ジャータカ物語>のお釈迦様の過去世は、とてつもなく立派です。


「人間はこれほどの精神の高みにまで至ることが可能だ」という、ま、一種の理想のモデル像ですね。


でもだからと言って「あなたの命も虎にくれてやりなさい」って訳じゃないですから、そこら辺は勘違いしないで下さいよね。


物語が伝えたいのは「生きとし生けるものの命に共感しなさい」ってことです。


命を思いやるその感性が大切なのです。


<思いやり>とは命の連鎖を想像することから生まれます。


命を思いやる気持ちはひとつの文化なんです。


<思いやり>は文化になって次の世代へ受け継がれて行く。


<愛>や<慈悲>に形を変えて、人から人へと表現されて行くのです。


日本人のDNAに眠ってるこのような仏教観が、今こそ目醒めてくれたなら、とても素晴らしいこととなる。


<思いやり>と<共感>をベースにした<民主主義制度>が生まれる可能性も残っています。


世界に尊敬されるような社会モデルは、スピリチュアルな価値観をベースに築き上げるのが理想です。


そうでないと、もう未来は成り立たないかも知れません。


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輪廻転生システムって<魂レベルの自分>を思い起こさせるのに、とても便利なツールだと思います。


人生は永遠に続いて行く。


だから途中で諦めてはダメ。


<思いやり>は自分も他者も両方を幸せにする。


ほらね・・・


学校教育や終末医療の現場なんかで、そのまま速攻役に立ちそうでしょ?


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私たちは何のために生きるのか?


大切なのは輪廻を通じて自分をもっと成長させること。


更に大きく意識を広げることです。


そうすればクラウドの保管庫もいつか100%公開が許される。



私たちは何のために生きるのか?


もしかすると「失われた記憶を思い出すため」なのかも知れませんね。


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おまけ:雑誌紹介記事

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by viva1213yumiko | 2018-11-27 16:51 | おとぎ話・こぼれ話 | Comments(0)
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