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輪廻輪廻大サーカス

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子供の頃、日曜にTV放映される<リングリングサーカス>が大好きだった。


<リングリングサーカス>はアメリカが誇る、世界最大規模のサーカス団。


フットボール場2つ分の大テントに1万1千もの座席をしつらえる、超巨大なサーカスです。


3つのサーカスリングを設置し、それぞれのリングの中で軽業師や動物たちが次々曲芸を披露する。


「これぞアメリカ!」って感じの、突拍子もなくスケールの大きなサーカスなんですね。


最盛期には従業員1500人以上、馬450頭、象40頭を抱えており、80両の専用サーカス列車で各地を巡業して回っていたと言う。


そのスケールの大きさから「地上最大のショー」と呼ばれ、ハリウッド映画にもなったぐらい歴史あるサーカス団です。


当時見てたTV番組も、同時並行で行なわれる3つのリングのパフォーマンスを、たくさんのカメラで追いかけ放映していた。


その時の映像は、今も記憶の底に刷り込まれている。


隊列を組みドスドス走り回るたくさんの象。


猛獣使いの大きなムチの音。


ピエロたちのコミカルな動き。


空中ブランコを見上げる観客の表情、そのどよめき声。


「何もかもがスケールが違う」ってことが、TV越しに臨場感を持ってヒシヒシ伝わって来ました。


子供ごごろにも「アメリカって凄い!」って、そう思ったものです。


1980年代には日本でも来日公演をしていたらしいが、その後は動物愛護の気運により、観客動員数は急速に減って行った。


<リングリングサーカス>は解散を余儀なくされ、昨年146年の歴史に終止符を打ちました。


兼ねてから「アメリカに行ったならスケールの大きなショーを観てみたい」と、思ってましたが、それは多分子供時代のこのような記憶のせいなのかも知れませんね。


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<シルク・ドゥ・ソレイユ>は日本でも有名なので、観たことある人は多いと思います。


一言で言うと「サーカスとアートを融合したパフォーマンス」


曲芸という娯楽を、一段階<次元上昇>させたエンターテイメント集団です。


<シルク・ドゥ・ソレイユ>は芸術的な作品を数多く世に送り出しています。


しかしその中でもスケールと完成度の点で「最高傑作!」と評されるのが、今回ラスベガスで鑑賞した作品<オー>です。


この演目は、当地の常設シアターだけでしか上演されません。


それもそうですよねぇ〜


だって、よその劇場じゃ絶対に無理だもの・・・


ラスベガスの常設劇場は、舞台の奈落部分が巨大なプールになっています。


しかもこのプール、水深が自在に変化する作りになっていて、プールからセットへ唖然とするような舞台転換をする。


水深を深くしたプール目がけ、天井からパフォーマーが飛び込んだかと思うと、みるみるうちにそれがスキップ出来るほどの水たまりに変わったりするんです。


ダンサーの踊ってた床があっという間に2つに割れて、プールの底からシンクロスイマーたちが現れる。


カーテンの奥から、水中から、壁から、天井から、客席から・・・


ありとあらゆる場所からパフォーマーが登場して来る。


そして演技を終えた者から順に、最後は必ず水の中に消えて行くんです。


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「これは凄い!」と、手放しにそう思いました。


今まで観た舞台の中でも、群を抜いたスペクタル感です。


何しろお金が掛かってる。


衣装も照明も小道具も、華やかで独創的です。


観ているうちに水中と空中の境界線が揺らいで、次元とか空間とかの認識機能が麻痺してしまいそうになる。


古代ローマではあのコロッセオに水を張って、ローマ軍の海戦の様子をショーに仕立て観衆に披露したと言います。


この<オー>の水舞台もそれに匹敵するくらい、度肝を抜くレベルなんじゃないかと感じました。


次に一体何が現れるのか?


観客は固唾を呑んで見守ることしか出来ません。


そしてそれと同時にやって来る感動のエネルギー。


開始10分で胸がぶわっと熱くなり、身震いが起こって、涙が勝手にあふれて来る。


エネルギーが身体を通過するたび、こうした反応が勝手に湧き上がってしまうのです。


不思議だった。


この感動は一体どこから来るというのでしょう?


パフォーマーの技術が凄いから?


音楽が激しく切ないから?


スペクタルが圧倒的だから?


もちろんどれもが正しいけれど、それだけでは正確と言えません。


そこには何かこの世のスケールで測れない、そんな秘密がありそうです。


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<オー>は水がテーマのショーです。


パフォーマーたちの演技はどれも、最後に水に飛び込むことで完結する。


ブランコ乗りも、ジャグラーも、アクロバットも、道化師も、ダンサーも、エアリアルも・・・


パフォーマンスを終えた者は皆、水に入り泡となって消えて行く。


そしてまた、どこからともなく別のパフォーマーが登場し、新たな次のパフォーマンスが始まって行くんですね。


人は水から現れ、活動し、それを終え、水に消えて行く。


そして水から再び、人間は新たに生まれ変わる。


つまり<オー>とは「万物を生み出す源」のようなもの。


あの世とこの世をつなぐ<海>の象徴でした。


つまりこのショーは、我々の<輪廻転生>を観せてくれるそんな舞台だったんです!



何かがストンと腑に落ちました。


初演から20年近く、はるばるラスベガスまで足を運び、多くの観客がこのショーを観たがるのはなぜか?


その理由が分かったような気がしました。


これは、<輪廻のサーカス>でした。


誰もが忘れてしまっているけど、実は消えない<輪廻の記憶>


その長い長い道のりのことを、このショーは思い起こさせるのです。


決して私だけがそう感じるんじゃありません。


そこに真実があるから、それだからこそ誰もが感動せずにはいられないんですね。


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考えてみれば私たちは皆、サーカスのパフォーマーみたいなものです。


ショーを成功させるためには、与えられた役割をキチンとこなさなければなりません。


衣装やメイクの用意はOKか?


チームの仲間とシンクロしてるか?


呼吸を止めずにスムーズに動けたか?


最後のポーズは決まったか?


ほらね、サーカスを生きるのとまるで同じじゃないですか。


時には道化を演じ人を笑わせなければならない。


時には火を吹き人を驚かす。


危険を冒し空中をジャンプすることもあるでしょう。


縁の下の力持ちに徹することもある。


思いきり飛んで、失敗し、溺れ、そして笑われる。


歯をくいしばり、努力して、認められ、喝采を受ける。


そして結局最終的に、誰もが水に還って行きます。


あなたはどんなパーソナリティーの持ち主なのでしょう?


あなたの特技は? 良いところは?


逆に痛みや弱点は何ですか?


自分を労わり愛してる?


魂の道を正しくまっすぐ進んでいるだろうか?


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誰もが皆んな、記憶喪失のまま人生を歩いています。


いつだって大切なことは思い出せず、心に空虚を抱えてる。


でもね・・・


本当は決して忘れてなどはいないのです。


魂の深いレバルでは全ての記憶を残してる。


ここに来るまでに、どれだけの苦難をくぐったか?


ここに来るまでに、どれだけの幸せを諦めたか?


ここに来るまでに、どんな苦渋の決断をしたか?


あまりに辛いから忘れたことにしてますが、私たちの魂はちゃんと知っている。


そして「いつかは誰もが全てを思い出す」と、いにしえの叡智はそう伝えています。



悠久の時の流れを思うと、ちっぽけな自分が愛おしく感じられませんか?


私たちはサーカスを生きてます。


<輪廻輪廻大サーカス>という、<地上最大のショー>をです。










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by viva1213yumiko | 2018-04-15 15:57 | 人生・霊性 | Comments(0)