樹木を切り倒す事を<バツボク>って言うんですけど、あなたはこの言葉を知ってましたか?
林業の関係者でもなければそんなこと知らないのが普通ですよね。 本日は、滅多に見られない伐木の過程を順を追ってお教えしましょう。 題してドキュメンタリー<伐木メモ>であります。 隣地の樹木を切り倒すよう依頼を受けたKは、早速チェーンソーの準備に取りかかった。 山間部では適度な具合に樹木を間引きして行かないとならない。 しっかりと根を張った大きな木を計画的に育てるためだ。 野放図にしておくと木は育ち放題になり、山は荒れ、道路や建物にも影響を与えてしまう。 国土の大部分が森林というこの国にとって、生態系を守るためにも、山の手入れはとても大事な仕事なのだ。 切り倒すクリとナラの木に、御酒と塩を供えて清め、Kは安全な伐木を祈願した。 そして高ぶる気持ちを静めると、やおらチェーンソーのエンジンを引いたのである。 伐木は危険な作業である。 物理的な知見で方向を見定め、狙い通りに倒さなければ大事故につながる。 安全確実に木を切るためにはそれなりのノウハウが必要なのだ。 まずは木を倒したい側の側面に三角形の大きな切れ込みを入れる。 反対側にアンカーを差し込んで倒す方向を確実に定める。 そして残り半分程の切断面にチェーンソーを入れれば、木は地響きを立てどーんと倒れる。 それ程大きな木とは思えなかったが、倒れてみるとすごい枝ぶり。 ジャングルみたいだ。 枝打ちをして木を丸太の状態にする。 この段階がむしろ最も怪我しやすいので要注意。 薪のサイズに玉切りする。 運搬も重労働だ。 この状態で2~3ヶ月寝かせて乾燥させる。 その後改めて薪割り作業を行う。 伐木ドキュメント、いかがでしたでしょうか? パートナーのKに云わせると、木を倒す時はもの凄く興奮するんだそうです。 命がけの真剣勝負で、張りつめた精神状態になるので、樹木の声が聞こえる気がするのだとも・・・ さらに一本一本の木にもそれぞれ個性があって、やけにどよ〜んと重たい感じの奴とか、しっとり水気を含んだ奴とか、ひねくれて乾いた感じの奴とかあるらしいのです。 何だか格闘技の話しを聞いているみたいで面白いと思いました。 それにしても、昔のきこりたちはこれら一連の仕事をみな手作業で行ったのだ思うと本当に頭が下がりますね。 昔の与作たちは、心も体も魂も完璧に自然と一体化していて、きっと無数の木霊の声を聞き分ける事が出来たに違いないとそう思います。 追伸: 倒したクリの木には大きな蟻の巣がはびこっていて、蟻さんたち大パニック! きっと蟻の叙事詩には、今日の天変地異の伝説が書き加えられた事でしょう。 #
by viva1213yumiko
| 2012-06-05 22:06
| 季節・行事
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